遠い日の唄 8
唇を重ねて、無理に引き離してから愕然とした。
いや、な、なんで?
としかいいようがない。
ユウは、びっくりしたように目を丸くしていた。
涙は止まった。
…よしよし、それならいいんだ。
いや、よくない…。
「…鋼さん、今の…キスだよね?」
「ああ」
頷くしかない。
あ〜、俺変態じゃん(汗)
だが、ユウはニコっと笑った。 ちょっと、恥ずかしそうに。
「僕、初めてだ」
だろうな、とか思う。
あああ…可愛い!
どうしよう。
「鋼さん…」
じっと、見つめられて俺は柄にもなく心臓がはねあがる。トランポリンみたいな勢いだ。
「わかんないけど、僕、鋼さんが初めてなら構わないから」
〜!
なんでだ?
出会ってまだ数時間だ。 お互いなんでこんなに惹かれてる?
余計なことは考えるな、というさっきの決意に従って俺は…ユウを抱き締めた。
「鋼さん、僕、これ夢だと思うんだ…」
??
ユウは静かに呟く。
「目が覚めたら…僕は…
だから、鋼さん…離さないで。怖いから、ずっと…一緒にいて」
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