snow love 21
「澄越。ごめん…。」
「倉真くん、私には嘘吐かないで。」
「先生の家にいる…。」
三春は僅かに間を置き、電話を切った。
倉真はしばらく罪悪感と闘った。そしてとにかくもう一人、律子に連絡をとらなければと気を取り直した。
美月のカバンの中にあったクラス名簿を拝借し、律子の携帯番号を調べた。
呼び出し音がしばらく鳴り、美月の車の中で聞いたよりもか細い声が返ってきた。
「百合原くん…?どうして私の携帯番号を…。」
「澄越から連絡あってさ。どうした?何か用だったか?」
「何でもないの。大した用ではなかったから。気にしないで。」
三春の言う通り、沈んだ暗い声だった。
「新島。今日、あの時間に家帰ったらまずかったんじゃなかったのか?泣いてたろ。」
「……。私なんか、見てくれてたんだ。」
「どうした?」
倉真の問いに、律子は黙っていた。
「本当になんでもないの。」
「新島。隠すなよ。俺にだけ教えてくれ。」
「百合原くん、優しいね。………私、私、あなたの…きゃっ!!」
突然、律子の短い悲鳴と共に電話が切れた。
倉真はいよいよただ事ではないと理解した。
「倉真くん、私には嘘吐かないで。」
「先生の家にいる…。」
三春は僅かに間を置き、電話を切った。
倉真はしばらく罪悪感と闘った。そしてとにかくもう一人、律子に連絡をとらなければと気を取り直した。
美月のカバンの中にあったクラス名簿を拝借し、律子の携帯番号を調べた。
呼び出し音がしばらく鳴り、美月の車の中で聞いたよりもか細い声が返ってきた。
「百合原くん…?どうして私の携帯番号を…。」
「澄越から連絡あってさ。どうした?何か用だったか?」
「何でもないの。大した用ではなかったから。気にしないで。」
三春の言う通り、沈んだ暗い声だった。
「新島。今日、あの時間に家帰ったらまずかったんじゃなかったのか?泣いてたろ。」
「……。私なんか、見てくれてたんだ。」
「どうした?」
倉真の問いに、律子は黙っていた。
「本当になんでもないの。」
「新島。隠すなよ。俺にだけ教えてくれ。」
「百合原くん、優しいね。………私、私、あなたの…きゃっ!!」
突然、律子の短い悲鳴と共に電話が切れた。
倉真はいよいよただ事ではないと理解した。
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