虹色マカロン,1
キラキラ光るサラサラでフワフワの黒髪に見惚れたのは去年の春だった。
大学のサークル仲間と花見に来ていた。
酔いも良い感じに回って、
みんなのテンションも上がってきた頃、
「俺トイレ行ってくるわ〜」
「場所わかるぅ?高見くん
良かったらアタシ案内するよ?」
「なんだよ高見ばっかずりぃ!俺んときそんなん無かったんですけど!」
「当たり前じゃん、あんたと高見くんじゃ違うでしょ。」
「大丈夫ありがとう、じゃね。」
「行ってらっしゃーい。」
右腕にまとわりついていた女の子からやっとの事解放され、俺はトイレへ向かった。
天気も良くて、暖かくまさにお花見日和だった。
見上げれば満開の桜が
空をバックに咲き誇っている。
「えー、満(ミツル)帰んの〜?
じゃあアタシも帰る〜!」
「もー、一人で帰りたいのー。まなはみんなと楽しんでなさい。」
ふと視界に入ったやり取り。
俺と似てるな。
ああ言うのウザイんだよなぁ…。
「じゃーねっ。
ばーいばーい。」
トンッと女の子を付き離し、
クルっと俺の方を向いた。
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