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偽善者博士と女の子になったおじいちゃん16

[2246]  クート  2010-03-15投稿
少し時間を遡る―――

老博士と助手の冴子はモニターを見ていた。

丁度、広治が赤・黄・青の座薬を封筒から出している場面だった。

「あの爺さん、どスケベじゃから、青で充分じゃろ 」

爺さんとは勿論、女の子に変身した富継の事である。

座薬は老博士が発明した、おそらくは世界でも他を寄せ付けないほど強力な媚薬であった。赤⇒黄⇒青の順番で媚薬効果が高く、赤は青の三倍もの威力があるとの事だった。
更には、避妊・感染症防止も兼備していた。

「じゃが、媚薬効果が一番低い青色でも凄いんじゃ! 例えば冴ちゃんが使ったとしても自分から“犯してェ〜 お願い”って叫ぶようになるんじゃ?」

「私はなりません?? 」
ケッケッケと、厭らしく笑う老博士を冴子は睨みつけた。

「冴ちゃんみたいにムッツリしている人間ほど、心の奥底にはとてつもない欲望を隠しもってるものなんじゃ。断言できる! 冴ちゃんは間違いなく淫乱女に変身するとな!! 」

挑発。それが老博士の目的だった。

「私も断言できます。私はSEXなんて全く興味がありません。故に、それに伴う欲望なるものは発生致しません! 」

冴子は処女ではなかった。一度だけではあるが経験があった。
ただ、そのたった一度の経験の為に、男性に対しても恋愛に対しても失望しきっいた。

初恋だった。好きで好きでたまらなかった。だから自分の全てを捧げた。だが、相手の男は冴子の身体だけが目的だった。少なくとも、冴子はそう感じた。

17歳のあの日。好きだッた男に言われた。
「冴子って不感症なんだな、ぜんぜん濡れてなかったよな」と。

それは冴子のせいではなかった。冴子は精一杯の気持ちを捧げたのに、相手の男が未熟なだけだったのだ。 …全てにおいて。

処女を捧げた3日後に再び誘われた。未だ痛くて痛くて、堪らないのに?

そして、冴子の初恋が終わった。


「そこまで言うんじゃったら、冴ちゃんも薬を使ってみたらどうじゃ? もっとも、淫乱になっても責任はもてんがのう。ヒヒヒヒっ」、わざと厭らしく笑う老博士だった。

「結構です! 」

「乱れる自分が怖いんかのぅ? 」

「そんな事はありません。あまり意味を感じないので」

「たかが媚薬なのにのぅ… ムキになるとは冴ちゃんらしくないぞえ。よっぽど自信がないのかのぉ? カッカッカッ」

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