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甘い過ち…(1)

[7360]  Y子  2010-03-19投稿
プロローグ……
「えーッ?…帰れないの?…でも、仕方ないわね…お仕事なら。…ええ、判った。…うん。…あなたも、気をつけてね…」
私は受話器を置いて誰も居ないダイニングに戻った。庭でタローが「散歩の時間だ」と甘えた声で吠える…
あの道を歩いても…もう逢えないに決まっている
…もう、逢ってはいけないのに、無性に会いたい…会うというより遠くから姿を見るだけでいい…

窓から外を覗くとどんよりとした曇り空だ。
チューリップハットをかぶりカーテンを閉める。タローが嬉しそうに尾っぽを振り、「急げ」と吠える…
タローの汚物処理グッズを持ち玄関に施錠する。
タローが「遅い!」とまた吠える。

犬でさえ私が散歩に行くのが気が進まないのが判るらしい。
サングラスを掛けてタローのハーネスにロープを掛けると私を強制的に引っ張ってくれる。 タローは力持ちだ。
それに頭もいい。柴の中型犬だ。イケメンだと思う。

●●川の土手に向かって私を連れていく…
タローが頭がいいのは、途中に三つある信号を守るところもその一つである。
土手を強引に進み、遠くに橋が見える位置に来るとタローは座る。
「早く、早く」と座って私を見上げ尾っぽを振る。

私は「マテ!」と声を掛けハーネスがらロープのフックを外す!………タローは私の口元をじっと見る。…「ゴー!」と私が声を発すると凄い勢いで坂道を駆け降り河川敷を走って行く。

私は転ばぬように、滑らぬように、河川敷に下りて丸太の椅子に座り脚を組む…
180度の周囲に目をやる…やっぱりあの人はいない
タローが橋を折り返して戻って来た。
私の前に座ったタローにポッケからササミのスティックの褒美を与える。手の平を正対して「アゲン(アゲイン)!」と叫び手の平を閉じる!…タローは再び橋へ向かって姿が小さくなっていく。

あの人がタローに、そして私に教えてくれた「犬との対話」。…
教えてくれて…去って行った………。
そして、タローに内緒で私に教えてくれて去って行った。

私の夫は商社マンだ。
日本で5本の指に入る大手らしい。
主に木材や飲料などを求めてブラジルや世界中を回っている。今は東南アジアに居る。お盆には帰国する予定が年末まで帰れないとの電話が散歩に出る前あったのだった。
夫は35才、私が33才。
夫婦仲が悪い訳ではない

結婚8年目だから、愛し合ってる なんてキザなことは言わない。新婚気分などとっくに忘れて…互いに鮮度も感じず、セックスなど諦めていた。
その頃、あの人とここで会ったのだった。

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