官能小説!(スマートフォン版)

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うなぎの投稿された作品が49件見つかりました。

 
  • 夜鷹の床(38)

    「聞けばお前が紫乃のやつを与兵衛の所に連れて行ったそうじゃねえか。俺はな、お前に免じて紫乃のやつを譲ってやったんだぜ」 お理津は蕎麦も喉を通らず、そして何も言えなくなった。 長屋に帰れば、障子から漏れる薄明かりと焼き魚の匂いがお理津を迎えた。ちょうど与兵衛と紫乃が晩飯を終えたところだったようである。「おお、帰ったか。飯炊いてあるぞ」「あたしは表で客にご馳走になって来たからいいよ」「なんだ、そうだっ
    うなぎ [582]
  • 夜鷹の床(37)

    ※ここまで読んで下さった読者様へ。2/8投稿した分で番号表記をタイトルに付け忘れてしまったものがあります。(32)と(33)の間に、番号非表記の投稿分が入ります。「だが心配するな。長屋は引き払わずに、お前が住めばいい。家賃も俺が与兵衛に立て替えてやる事にした」「そんなのはどうだっていいんだよ。与兵衛さんは、どれくらい城下を離れなきゃならないんだい?」「まぁ半年と言った所かな。その代わり俸禄は四倍ぐ
    うなぎ [529]
  • 夜鷹の床(36)

    「俺もだ。今までずっと抑え込んでいた物が破裂してしまったようだ。このような好色者は武士として失格だ」「ならば与兵衛様。淫乱と好色で色情狂い同士、お互い様ですね」「そうだな。いっそ地獄まで、お理津も連れて共に堕ちるやも知れぬ」「いいえ、地獄には堕ちません。昨夜のお坊様は、天に昇られて逝かれましたから……」 お理津は気分が乗らない様子で、八幡神社の脇の回廊。足をぶらぶらとさせながら、暮れなずむ夕空を木
    うなぎ [693]
  • 夜鷹の床(35)

     胸板の汗を拭いながら、紫乃は与兵衛の顔を潤んだ瞳で見上げた。「お、お前……」「もしお理津さんが居なかったら、私が与兵衛さんの事を好いてしまったかも知れませぬ」 くすり、と、悪戯っぽく含み笑い。「な、なんて事を言う。俺は……」 なぜ、昨日紫乃まで抱いてしまったのか。自問自答した所で答えなど出ない。所詮自分はただの好き者に過ぎないとしか。ならば尚更、この長屋を離れるのは自分の義にとって好都合なのかも
    うなぎ [698]
  • 夜鷹の床(34)

    「あ、あの……」 紫乃はちょこんと部屋の隅に正座し、板敷きの木目を見詰めている。顔が少々赤いのは、中庭を照らす暮れの陽射しのせい。「私に出来る事があれば何だって致しますから、何なりとお申し付け下さい」「どうした」「こうして置いて頂けるばかりでは申し訳なくて」「ははは、なにも気にする事は無い」 与兵衛は二本差しを抜いて、框にどかりと腰を下ろす。すかさず紫乃は土間から大ダライを引き摺り出し、水瓶から水
    うなぎ [621]
  • 夜鷹の床(33)

    「いいって事よ。その代わりと言っちゃあなんだが、お前んとこの夜鷹にな、掃除をしに来て貰いてえんだ」「お理津にか?」「掃除ぐらいできるだろ。紫乃も居なくなっちまったし、女手が無いと何かと不便でなあ」「……実はな久間。話さなければならん事がある」 与兵衛は膝を正した。いつまでも隠し仰せはしない。そう思っていた。「なんだよ改まって、水臭せぇ」「紫乃なんだが。……実は、うちに転がり込んでいる」「なっ!」 
    うなぎ [593]
  • 夜鷹の床

    「おう、与兵衛じゃねえか。何こんな所で油売ってんだ」 そこには裃を穿き、身なりを調えた久間の姿が。「お前か。それはこちらの台詞だ」「俺は奉行所に所用があったんだよ。それより与兵衛、お前に良い話を持って来たぜ」「まさか縁談じゃなかろうな」「違うわい。ま、歩こう」 大手門へと続く寺町は、打って変わって木魚の音さえも聞こえる静けさ。香の匂いが涼しげな風に運ばれて来る。良い話と言った割に、久間は神妙な面持
    うなぎ [548]
  • 夜鷹の床(32)

     町は晴天。運河沿いの通りを河岸町に差し掛かった辺りで左に折れ、商家の並ぶ町屋へと入る。その中に小ぢんまりと佇む一軒の問屋の前で与兵衛は立ち止まり、狭い入り口の暖簾を潜った。「これはこれは与兵衛様。いつもご苦労様です」「おお若狭屋。実は色々と立て込んでてな、これしか仕上げられなんだわ」「充分でございますよ」 与兵衛は抱えていた傘の束を、店の間から土間に降りてきた旦那に手渡した。黒光りする板の間が静
    うなぎ [521]
  • 夜鷹の床(31)

    「んんんんんっ!」 上半身は紫乃に、下半身は与兵衛に攻め立てられ、狂おしいまでに乱れる。根元まですっかり呑み込まれてしまった与兵衛は上体を起こし、二人をまとめて抱き竦めた。二人ともに小柄なためか、いとも簡単にその腕に納まってしまう。「あぁ……」 お理津は震える唇から幸せそうな声を洩らした。暗闇の中では、もはや誰が誰だか判らないほどの混沌。交じり合う三人。時を忘れ、朝が近づくのにも気付かずに絡み合い
    うなぎ [767]
  • 夜鷹の床(30)

    「これじゃぁ寝れもしないだろう?」 布団を跳ねのけながら起き上がり、お理津が言った。やがて、その舌が与兵衛を濡らし始める。濡れた音が、そして息遣いが重なり合い、蒸し暑くなる部屋。「与兵衛さん……」 切なげな声。下腹部から筋肉をなぞり、お理津の舌がせり上がる。やがてそれは唇を割って彼の舌と絡み合い、吐き出す吐息で与兵衛の肺を満たした。「与兵衛さん……あたしを、抱いておくれよ」「よいのか?」 答えず、
    うなぎ [761]
 
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