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日和の投稿された作品が17件見つかりました。
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扉の向こう側 17
『何を今更!!』呆れる二人に抗議する。『だって!紗矢サンの正体を知る前に店長が戻ってきて―』“兄貴”だの“紗矢”だのもめはじめたからさぁ。『そうだね。有クンの言う通りだ。俺は周藤紗矢。周藤弘希の“実の"弟、ね!』“実の”って…解ってますって。『もういいだろ。何でお前が居るんだ、紗矢!!』『そりゃ兄貴が可愛い子を連れてくるって聞いたら〜俺も弟として立ち会わなきゃイカンなぁと…♪』飄々とした態度で今
日和 [1,066] -
扉の向こう側 16
完全に頭に血がのぼってるらしい店長と“紗矢(さや)"と呼ばれた黒髪の男。睨み合う二人に戸惑う。板挟み、だ。今にも黒髪に掴み掛かりそうで…こんな店長みたことないよな?“蛇に睨まれた蛙”だけどこっちの蛙(黒髪)は蛇に怯えてなんかない。むしろ余裕たっぷり。にんまりと蛇(店長)に微笑する。『…まあまあ。立ち話もなんだしそこ座れば?』余裕な蛙が蛇を誘う 笑二人掛けのテーブルの、そこ…?不思議に思っていると
日和 [1,120] -
扉の向こう側?
『えっ?!』『紗矢!!』『…兄貴』三つの声が重なった。俺の知ってる声。何て言ったかよく聞き取れなかったけど。ただ、俺以外の二人はお互いを認識してるらしかった。『紗矢!お前が何故ここにいる!!』背中越しに聞こえる聞き覚えのある声―\r『て、て、てて…!』店長?!って思わず叫びそうになって慌てて口を塞いだ。“紗矢”と呼ばれた黒髪の男は― そんな俺を横目で見ながらこう言ったのだ。『なんだ兄貴、やけにお
日和 [2,491] -
扉の向こう側?
『なんだかたのしそうだな、』あっち、と ウエイトレスさんが戻った方をみて男がいった。見れば数人のウエイトレスさんがキャッキャッとこちらをチラチラと伺っていた。―コイツが原因か。すぐにお持ちするんじゃなかったのか?!そんなにコイツがいいかよ!コイツだったら、周藤の方が… って、何考えてんだ、俺は!『本当に面白いな、君は♪』『は、はい?』『今、呆れた顔した。と思ったら考え込んで赤面。顔がくるくる回る
日和 [1,959] -
扉の向こう側?
『……じゃ、どうしたらいいんですかっ?!』そろそろ解放してほしい。その憎たらしい微笑みから―。『まぁそんなに怒るなって♪可愛い顔が台無しだよ?!』なっ…?!思わず席を立ち上がる。冗談じゃない。俺だってこんな顔 望んだわけじゃないし!誰が好き好んでこんなヤツと一緒にいるかっ―\rおもいっきり睨んでやると。まぁまぁ♪そう言いながら ウエイトレスさんに軽く合図なんかしてる。『ご、ご注文はお決まりでしょ
日和 [1,775] -
扉の向こう側?
テーブルには空っぽのカップが一つ。かなりの至近距離で見知らぬ男とみつめ合っていた。周囲にはどんな風に映っているのだろう―。『ちょっと―いいかげん離してください。なんだよ、アンタ…』笑顔を崩さない男に負けるのが悔しくて―視線はそらさない。『離さないよ!だって離したら逃げ出す雰囲気だろ?』バレてた。でも。『財布、返してください!』『じゃ、俺に付き合って♪…『…警察呼びますよ!?』思いきっていっ
日和 [1,842] -
扉の向こう側?
あと40分。ホットミルクの残りを考えてもあと2杯はゆっくりと飲める。手持ちぶさたにメニューを見ていると 『雪国風ラッシー』やら『ザ・おしるこドリンク』など、気になることこの上ないネーミングを発見!ただ、観光地価格なんだよな…?この2つを頼むとして…、あれ?俺、財布どこやったっけ?!慌ててポケットを探るがない。コートのポケットにもだ。もしかしたら この小屋まで引き返したときに落としたか―
日和 [3,230] -
扉の向こう側?
『遅かったな。どこへ行くつもりだったんだ?』湯気のたつカップで手を温めながら周藤は笑っている。『別に。』マフラーを外しながら向かいに座る。店内は暖房がきいていた。離れるなよ?とか言ってたくせに。…先を急ぐ俺を呼び止めない、あなたの性格を疑います。『お待たせいたしました。ホットミルクです』カップとハチミツのポットが置かれた。 ここではカフェオレにもハチミツなんだぜ! と、周藤はなんだか自慢げ
日和 [3,762] -
扉の向こう側?
それから俺達は敷地内を見て回った。デカィ龍の描かれた屏風とか、へんな形の燈籠とか。三賀日も過ぎたというのに 結構な参拝客にもみくちゃにされながら。離れるなよ?時々遅れる俺に差し出される手。その度に振り払う。周藤は苦笑するものの何も言わない。俺がムキになってるのだってきっと知ってる。大股で周藤の後ろを歩く。雪で足がとられるけど仕方ない。“勝手知ったる”と歩き出す須藤と違って、俺にははじめての場所
日和 [3,395] -
扉の向こう側?
『…到着っと!』あれから10分くらいで本日の目的地に着いた。あの時コンビニで引き返すこともできたのに、寒さに負けてついてきてしまった。着くなり先に降りた周藤はジェントルマンみたいに助手席のドアを開けた。わざとらしく一礼する周藤に、イラっとする。『…ここって』聞かなくても分かる。重々しく構えた門。奥には立派な境内があって―。『神社?お寺?』なんだってこんな雪の中。チラっと周藤をみた。まだ何も
日和 [3,665]
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