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ボーイズラブに含まれる記事が1120件見つかりました。
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月夜の晩に 11
一人きりの部室で、描きながらフッと筆をとめた。 先輩のオモチャになってから2ヶ月か。 こんなんでいいはずない… 俺ばっかり苦しくて、悩んで、戸惑って…。 不公平じゃないか。 唐突に訪れた苛立ちは溢れるくらいで、俺はパレットナイフを振り上げた。 目の前の絵に突き立てようとした時、強い力で手首を捕まれた。 「なんの真似だ」冷たい声に振り向くと、無表情な先輩がいた。 「…離せよ」荒々しく振りほどく。
にゃんこ [1,727] -
月夜の晩に 10
アートコンクールに出す作品…思いの外先生の評価が高かった。 先生に言わせると 俺の超現実的な痛みが色となって滲み出ているらしい生々しい傷痕が見えるようだ、と頷かれて俺は赤面した。 だって…先生に俺たちの関係を見透かされたみたいで 「傷痕ねえ」素知らぬ顔で横に立って先生の評論を聞く先輩の存在が忌々しいやら恥ずかしいやら…。 「でも…いい色だね」そっと俺の手の甲を撫でる それだけで、ゾクッと体が震え
にゃんこ [1,988] -
月夜の晩に 9
俺たちの関係がバレることはまずない。 相変わらず葉瑠先輩は女子に囲まれてるし俺は浮いている。 女の子らに見せている先輩の顔は「よそ行き」綺麗で影がない。 俺に見せる顔には、時折言い知れない表情が混じる。奇妙な闇が覆う瞳。 何回か抱かれたあと、先輩に聞いた。 「なんで、そんな目をしてるんすか?」先輩は(僕が驚いたことに)怯んで目を背けた。 再びこちらを見た先輩の目はいつもの悪戯な目だ。 「しよう
にゃんこ [1,797] -
月夜の晩に 8
ことが終わった後で、俺を気遣うように見つめる先輩の目を虚ろに見上げていた俺は自分が泣いていたことに気づいた。 繋がってる時の痛みで? わかんねえ…頭、まわんねえし…。 葉瑠先輩が、俺の目をのぞきこむ。 俺自身はかりかねる気持ちを探すみたいに 「…先輩」掠れた声。 「痛かったんすけど」先輩は俺のはだけた胸元を優しく整えて笑った。 自嘲気味な、苦い笑いに聞こえた。 「初めはそんなもんだ。そのうち
にゃんこ [1,892] -
月夜の晩に 7
葉瑠先輩の指先が、俺の全部になる。 世界はいま、葉瑠先輩に集約されている。 俺は怖かった、されてる行為の異常さも…なにより自分自身の制御不能な快楽も…。 先輩の手慣れた動作で、男相手も初めてじゃないのかも…とよぎる考えが、チクリと胸をいたぶった。 それなら先輩の…この…行為に…深い意味なんて… だめだ、支離滅裂、か、考えまとまらな… 「風見…ほら…すんなり…ねえww」先輩の長い指が、俺の中に侵入
にゃんこ [2,493] -
モト君ビジョン 4
なんなんだろなあ…。 最近、思う。 雪丸がおかしい。 ライヴをやることに決定したんだが…しょっちゅう部活に顔を出している雪丸の表情がどんどん曇ってきているのだ。 俺の後を追っかけてるのは変わらない。 それについて…一部の奴等がからかい始めてるのも、知ってる。 それが原因だろうか? 俺の追っかけ女子からの手紙に 「本村君につきまとってるあの男子は何なんですか」とゆーのがあった。 正直ムカついて手紙
にゃんこ [1,195] -
雪丸ビジョン 3
アリス、と声をかけた相手は解ってる。 大翔だ。 モト君と同じくらい人気があって、同じくらいなんでもできる…いや、ひょっとしたらモト君よりもなんでもできるんだ。 だって…モト君は…お世辞にも勉強は出来ないから。 いやいや、いいんだ! 人間は完璧より少ーし抜けてるくらいが可愛いんだ! 女子にキャー×2言われてるシャドウ・パペット(バンド名ね)の二代柱の片方、大翔… あーイラつく! 邪魔だあ!! くっ
にゃんこ [889] -
モト君ビジョン 3
「アリス!」部室に入るなり、大翔がドラムを叩く手を止める。 金髪とゆーよりはもう白に近い短髪をかきあげて薄い唇を歪めて笑う。 この笑みとも言えない笑顔に、女子らはキャーキャー色めきたつわけだ。 暑苦しい学ランを脱ぎ、雪丸に渡す。ほっぽりだすと必ず雪丸が大事そうに持っているからで、なら始めから渡すのが面倒がないわけだ。「なあ、ここんとこライヴやってねえじゃん?そろそろやろうぜ」大翔の気だるげでハス
にゃんこ [1,445] -
雪丸ビジョン 2
パクパク焼きそばパンをかじるモト君を見つめる至福の時…。 実際これが鯛焼きだろーが豚の丸焼きだろーが、モト君が食べてるとこは…そう…一枚の絵画。 …さっきも言ったっけ。 とにかく敗けを認めたモト君に、軽く勝ち誇ってみるそうすると… ほらほらほらあ♪ 「はいはい、すんませんね〜雪丸ちゃん」キタ━(゚∀゚≡゚∀゚)━!! ちゃん、づけ! 嬉しくて真っ赤になるのをふくれて誤魔化す! おかしそうに笑って
にゃんこ [1,014] -
モト君ビジョン 2
雪丸の、焼きそばパンをかじる俺への熱い視線を感じながら食う。 確かに…うまい。 パンが香ばしい。 焼きそばのしっとり具合もなかなかだ。 「…よし、認めてやる。焼きそばパンは…邪道じゃねえ。俺の負けだ」雪丸が満面の笑顔を見せる 「ほーらね!だから言ったろ?高野ベーカリーをなめたらだめって」「はいはい、すんませんね〜雪丸ちゃん」ちゃんづけされた雪丸は真っ赤になって膨れた。 同年齢の俺に子供扱いされる
にゃんこ [1,105]