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夜鷹の床(15)
お理津はその桜色の乳首に触れた。刹那、紫乃の肩がびくりと震える。指先で弦を弾くように強く、そして弱く刺激する度、敏感に呼応する体。口に含み舌を圧し当てれば、無駄に抗うが如く芽を出す。「だめ……変になっちゃ……うっ!」「濡れてるよ?」「お、お理津さん、だって」 結っていない髪が乱れ、互いの心音が早まるごとに汗が滲む。「お尻、こっち向けて」 言われるまま、仰向けになったお理津に跨がる。少年のような尻
うなぎ [732] -
夜鷹の床(14)
久間は一層神妙な面持ちを深めた。「ただねぇ、万が一うちの奉公人が突き落としたとなっちまうと……」「うまくないな」「だろぅ?」「なぁ、久間よ。もし下手人が紫乃だったとしてだ、見つけたらどうする?」 久間は腕を組み考え込む。 雨戸の隙間から斜陽が射し込み、舞い上がる埃が光の筋を示している。あまりにも静か。そのせいか、お互いの息遣いすらも聞こえる。布団を被りながら右向きに横たわるお理津の目の前、同様に
うなぎ [728] -
夜鷹の床(13)
与兵衛はいつも昼近くまで寝ているのだが、この日は早目に目を覚ました。お理津と紫乃はまだ寝息を立てている。二人を起こさぬよう忍び足で寝床を抜け、土間で支度をする。雨戸を閉めたままの部屋は暗く、台所の風取り窓から洩れる光と雀の声でのみ朝だと解った。「あら与兵衛さん、今日は珍しく早いじゃないか」 くたびれた弁髪もそのままに、部屋から出てきた彼に声を掛けたのは長屋の奥、井戸端に群がる女房たちの一人。「ま
うなぎ [595] -
夜鷹の床(12)
与兵衛の家は真夜中にも関わらず閂が外されていた。お理津にとっての帰る場所がここにはあるのだ。家の中では与兵衛が寝息を立てている。彼を起こさぬよう、お理津と紫乃はそっと土間に忍び込むが、暗すぎて足元が見えない。どうにか框を見つけて上がろうと思った時、何かにつまずきそうになる。見るとそれは、皿に乗せられた一個の握り飯であった。「与兵衛さん……」 ふと、涙が込み上げて来るのを抑え、お理津はその巨大で不
うなぎ [669] -
夜鷹の床(11)
「あの……」 夜の虫たちの合奏に掻き消されてしまいそうなほどの、蚊の鳴くような声。「男の人って、なんでみんな助平なの?」「なんでって、そりゃぁそう言うもんだし、仕方ないさ。あたしも馬鹿だからうまく言えないけどね」 紫乃の体型は少々幼くも見える。しかしこの時代、十四と言えば何処かに嫁いでもおかしくない歳頃である。「お理津さんは男の人に色んな事されて、嫌じゃないの?」 お理津は少し困った顔をした。「そ
うなぎ [685] -
夜鷹の床(10)
「おぅっ……!」 大きな水音と飛沫。「おぶっ……ひっ……助け……」 足掻くも、昼間の雨で水かさの増した運河と、酒の回った体。紫乃は叫ぶでも無く、ただ無表情にその光景を見つめていた。足元では落ちた提灯に火が付いて燃える。やがて、水面は穏やかに波を消した。 蔵の壁は漆黒の板張りで、夜ともなるとまさに闇で塗りつぶされている。なのでお理津は、道端に膝を抱えて座る少女の存在になど全く気づかず、通り過ぎようと
うなぎ [735] -
夜鷹の床(9)
宴は子の刻にまでに及んだ。お理津は一体何度入れられ何度気をやった事か。久間も平吉も、そして喜作も、精も根も尽きたといった様子。酒も回っているのか立ち上がれば千鳥足の平吉。「おう、帰んのか?」「へえ、今日はこの辺で」 大きく二回、手を叩く。「美濃屋の旦那がお帰りだ。紫乃、お送りしな」 目を擦りながら襖を開けた紫乃。手には既に提灯が用意されていた。 月は雲に隠れ、足元を照らさなければ覚束ない程の暗さ
うなぎ [799] -
夜鷹の床(8)
久間がお理津の尻を左右に押し広げると、ずるりと、そして遂には親指までもがねじ込まれてしまった。お理津の息は苦しげに荒く、紫乃もまた鼓動が高鳴る。「ほぅ、入るもんだなぁ」「へへ、まだまだ小さい手ですからねぇ」 五本の指が入ってしまえば後は一気に手首まで、紫乃の右手は暖かく握り締められるように包まれた。「指を動かしてご覧なさい」 魔物の囁き。「あっ、だ、だめぇ……」 吐息混じりの弱々しい叫び。恐る恐
うなぎ [824] -
夜鷹の床(7)
人形でも扱うような手つきで髪を撫でられ、その左手は顎から唇へ。指が唇をこじ開けるように、その小さな口腔へと挿入された。紫乃は訳も解らず眉間に皺を寄せるばかりで、思わず取り落とそうになる銚子を握り直す。「もうそれはいいから置きなさい」 紫乃は首を横に振った。置いたらもっと嫌な事をされるような不安を感じて。しかし、銚子は空しくも奪い取られてしまった。「うっ!」 置いた銚子の横でびくり、と、喜作が震え
うなぎ [1,031] -
夜鷹の床(6)
ちらりと久間とお理津の方を見やる。そしてすぐに顔を伏せ、平吉に銚子を差し出した。小刻みに手が震えている。「紫乃よ、そうびくびくするなぃ。お前には手ぇ出さんよう、平吉にも言ってある」 紫乃はまだ十四を数えたばかりの娘である。久間は生娘を手に掛けるような真似こそしなかったが、しかし平吉の浮かべる笑みが紫乃にとって怖くてたまらない。 芯が菜種油を吸うジジ、という音さえ聞こえる静寂の中では、お理津の荒い
うなぎ [769]