月夜の晩に 11
一人きりの部室で、描きながらフッと筆をとめた。
先輩のオモチャになってから2ヶ月か。
こんなんでいいはずない…
俺ばっかり苦しくて、悩んで、戸惑って…。
不公平じゃないか。
唐突に訪れた苛立ちは溢れるくらいで、俺はパレットナイフを振り上げた。
目の前の絵に突き立てようとした時、強い力で手首を捕まれた。
「なんの真似だ」
冷たい声に振り向くと、無表情な先輩がいた。
「…離せよ」
荒々しく振りほどく。
イラつく…はきそうなくらいだ。
「どうした?」
ほんの少し、心配そうな声に苛立ちが煽られる。
触れようと伸ばした先輩の手を今度は弾くように叩いた。
「…触るな!」
先輩が、見つめている。
もう、ダメだ。
「なんで、あんたはいつもそうなんだよ?
フリなんかするな!
俺に構うな!俺に興味があるような…フリなんかすんじゃねえ!」
先輩が仮面みたいに俺を見ている。
言うべき言葉が出てこないのか…。
「頼むから構わないで。俺は今までの俺でいたいんだ
あんたのオモチャになるつもりはないんだよ」
先輩のオモチャになってから2ヶ月か。
こんなんでいいはずない…
俺ばっかり苦しくて、悩んで、戸惑って…。
不公平じゃないか。
唐突に訪れた苛立ちは溢れるくらいで、俺はパレットナイフを振り上げた。
目の前の絵に突き立てようとした時、強い力で手首を捕まれた。
「なんの真似だ」
冷たい声に振り向くと、無表情な先輩がいた。
「…離せよ」
荒々しく振りほどく。
イラつく…はきそうなくらいだ。
「どうした?」
ほんの少し、心配そうな声に苛立ちが煽られる。
触れようと伸ばした先輩の手を今度は弾くように叩いた。
「…触るな!」
先輩が、見つめている。
もう、ダメだ。
「なんで、あんたはいつもそうなんだよ?
フリなんかするな!
俺に構うな!俺に興味があるような…フリなんかすんじゃねえ!」
先輩が仮面みたいに俺を見ている。
言うべき言葉が出てこないのか…。
「頼むから構わないで。俺は今までの俺でいたいんだ
あんたのオモチャになるつもりはないんだよ」
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