月夜の晩に 15
「お前ここんとこずうっとおかしかったよな」
野坂秋人に引き摺られるように保健室に連れてこられて、俺はぼんやり天井を見上げていた。
「そうか?」
秋人とは余り話したことはないけど、他の連中よりは部活が同じなだけに関わることは多かった。
俺と同じに寡黙で、俺とは全く違う、おっとりした優しさの感じられるヤツだ。
「お前、蠍座?」
「…は?」
秋人が小さく笑う。
「秘密主義だから」
俺も、笑った。
あれ以来、初めて笑えた。二週間ぶりかな…?
時間の感覚もわかんなくなってるらしい。
「…もっと…頼れば?」
秋人の意外な一言で、俺は崩壊してしまった。
堪えてたものが壊れて、流れ出てきた。
秋人は黙って、横に座っていてくれた。
声をあげて泣いていた間もいてくれた。
ベッドから体を起こして、膝を立てて泣いた。
シーツがビタビタになるまで泣いた。
泣きたかったんだ、とわからせてくれた秋人に感謝していた。
ひとしきり泣いて、泣いて…腫れた目で秋人をみたら「すげー顔だな」
なんて笑われた。
俺は…もう一度、笑うことができた。
野坂秋人に引き摺られるように保健室に連れてこられて、俺はぼんやり天井を見上げていた。
「そうか?」
秋人とは余り話したことはないけど、他の連中よりは部活が同じなだけに関わることは多かった。
俺と同じに寡黙で、俺とは全く違う、おっとりした優しさの感じられるヤツだ。
「お前、蠍座?」
「…は?」
秋人が小さく笑う。
「秘密主義だから」
俺も、笑った。
あれ以来、初めて笑えた。二週間ぶりかな…?
時間の感覚もわかんなくなってるらしい。
「…もっと…頼れば?」
秋人の意外な一言で、俺は崩壊してしまった。
堪えてたものが壊れて、流れ出てきた。
秋人は黙って、横に座っていてくれた。
声をあげて泣いていた間もいてくれた。
ベッドから体を起こして、膝を立てて泣いた。
シーツがビタビタになるまで泣いた。
泣きたかったんだ、とわからせてくれた秋人に感謝していた。
ひとしきり泣いて、泣いて…腫れた目で秋人をみたら「すげー顔だな」
なんて笑われた。
俺は…もう一度、笑うことができた。
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