官能小説!(スマートフォン版)

ライアー 4

[940]  にゃんこ  2010-07-18投稿
僕らは友達になった。

次の日、周りの連中は僕がアキヒトの席に向かい、話かけるのを唖然として見ていた。
昨日、何を話したわけでもないけど、必死に追い付いて横に並んだ時に僕らは友達になっていたんだ。

僕にとっては、という意味だけれど。

結局謝罪の言葉はでなくって、僕はただ横を歩いていた。

別れ道、僕が「バイバイ」と後ろ姿に叫んだら
アキヒトは振り返らずに右手を高くあげた。

それだけだ。
それだけでも、友達になったんだ。


相変わらず怪我ばっかで、汚い洋服を着ているにも関わらず僕という存在のお陰で、アキヒトは少しずつ浮かなくなっていった。
それでも友達と言えるのは僕だけだったし、その僕にも校内で話しかけることはなかった。

つまり付きまとっていたのは僕なわけだ。

僕らが本格的につるむのは夏休みに入ってからのことだった。

いまでも思う。


あんなに綺麗で、眩しくて嬉しくて…悲しい夏休みはなかったと。


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