ライアー 23
そして、過去は終わり、現在形になる。
高校三年の夏だ。
僕も大学受験で勉強に追われている。
アキヒトは日本最高峰の大学に挑むから家庭教師、有名塾、片っ端から勉強している。
それでも夏は綺麗だ。
ペンを置いて空を見上げればあの日の風が吹いてるみたいだ。
空き地はもうなくて、立派なマンションが建っている…変わらないものはないのかもしれない。
アキヒトに会いたい。
ふっと思った。
「よ」
片手をあげて、彼がゆっくり向かってきた。
電話して、待ち合わせたあの場所。
立派なマンションの前。
アキヒトが来るとは思わなかった。
「たまには息抜きしないとな…」
「彼女と会ってないの?」
アキヒトの彼女はアキヒトと同じくらい資産家で親の紹介で付き合い始めた。
学校が違うから、見たことはないけど。
「ああ…面倒だからな」
冷たく言い放つ口調に愛情のかけらも見当たらない。打算、計算、損得。
それだけなんだろう。
僕らはマンションを見上げた。
「…入ってみようぜ」
悪戯な目を煌めかせた。 オートロックなのにと思っていると彼は徐に適当な部屋番号を押した。
高校三年の夏だ。
僕も大学受験で勉強に追われている。
アキヒトは日本最高峰の大学に挑むから家庭教師、有名塾、片っ端から勉強している。
それでも夏は綺麗だ。
ペンを置いて空を見上げればあの日の風が吹いてるみたいだ。
空き地はもうなくて、立派なマンションが建っている…変わらないものはないのかもしれない。
アキヒトに会いたい。
ふっと思った。
「よ」
片手をあげて、彼がゆっくり向かってきた。
電話して、待ち合わせたあの場所。
立派なマンションの前。
アキヒトが来るとは思わなかった。
「たまには息抜きしないとな…」
「彼女と会ってないの?」
アキヒトの彼女はアキヒトと同じくらい資産家で親の紹介で付き合い始めた。
学校が違うから、見たことはないけど。
「ああ…面倒だからな」
冷たく言い放つ口調に愛情のかけらも見当たらない。打算、計算、損得。
それだけなんだろう。
僕らはマンションを見上げた。
「…入ってみようぜ」
悪戯な目を煌めかせた。 オートロックなのにと思っていると彼は徐に適当な部屋番号を押した。
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