ライアー 25
「眠れないんだ。
怖くて。
目を閉じると俺はあの薄汚いアパートにいる。
ケバい化粧した女が言うんだ…今度こそ本物の愛なの…必ず迎えにくるからそれまでの辛抱よ、愛してる愛してる愛してる…
俺は泣きながら行かないでって叫ぶ。
俺も連れてって、ねえって叫ぶ。
女は振り返って、天使みたいに笑う。
愛してる、だから待っててって…」
「目が覚めて確かめる。
柔らかいベッドにくるまれてる自分を。
それから、また目を閉じる
親父が殴る…女が出ていったのは俺のせいだって。
だからお前が女の代わりを果たせという。
俺はその通りにする…
無力だから。
生きたいから。
死にたいのに生きたい。
…今だって」
僕の肩が濡れていた。
僕も泣いていた。
死にたいのに生きたい。 矛盾した生き物。
邪魔するなよ、と脅した僕の横で泣く君。
自分の為なら平気で人を陥れ、嘘をつく君。
未だに悪戯な目を持つ君。
僕の横で泣く君。
その全てが「アキヒト」
孤独で怖がりな君だ。
怖くて。
目を閉じると俺はあの薄汚いアパートにいる。
ケバい化粧した女が言うんだ…今度こそ本物の愛なの…必ず迎えにくるからそれまでの辛抱よ、愛してる愛してる愛してる…
俺は泣きながら行かないでって叫ぶ。
俺も連れてって、ねえって叫ぶ。
女は振り返って、天使みたいに笑う。
愛してる、だから待っててって…」
「目が覚めて確かめる。
柔らかいベッドにくるまれてる自分を。
それから、また目を閉じる
親父が殴る…女が出ていったのは俺のせいだって。
だからお前が女の代わりを果たせという。
俺はその通りにする…
無力だから。
生きたいから。
死にたいのに生きたい。
…今だって」
僕の肩が濡れていた。
僕も泣いていた。
死にたいのに生きたい。 矛盾した生き物。
邪魔するなよ、と脅した僕の横で泣く君。
自分の為なら平気で人を陥れ、嘘をつく君。
未だに悪戯な目を持つ君。
僕の横で泣く君。
その全てが「アキヒト」
孤独で怖がりな君だ。
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