歩く、歩く 12
むきになって怒ったり、静かに笑ってみたり鋭く分析したり。
わかればわかるほど、不思議な人だ。
俺はぶうたれてる先輩にサヨナラを告げ、一人にやにやしていた。
なんか面白い。
こないだまでつまんない毎日だと思っていたのに。
ただ、先輩と嘉納先輩のことに想いが及ぶと笑いが引っ込んだ。
あんな人がライバルじゃ、勝ち目ないしな。
先輩は否定してたけど、あの二人の絆に割り込める筈がない。
それでもその日から俺は先輩に付きまとった。
ま、護衛の意味もこめて。二度と先輩が殴られたりしないよう目を光らせた。 俺自身は運動部じゃないしネット人間だけど、身長は高いし何より一人より二人の方が安全だ。
先輩はやっぱり仕方ないなという顔で相手をしてくれた。
たくさん話すようになったし、内心ますます惹かれていく自分に戸惑う日々だ。
一つ一つの仕草や笑みが、思いがけない言葉がいとおしい。
だけど、俺はそれを表に出さないよう努力していた。
先輩も、あの告白はなかったことにしているみたいだ
ある晴れた日曜日、先輩は遊ぼうと誘う俺に言った。
「行くとこあるんだ」
…嘉納先輩のとこだ。
わかればわかるほど、不思議な人だ。
俺はぶうたれてる先輩にサヨナラを告げ、一人にやにやしていた。
なんか面白い。
こないだまでつまんない毎日だと思っていたのに。
ただ、先輩と嘉納先輩のことに想いが及ぶと笑いが引っ込んだ。
あんな人がライバルじゃ、勝ち目ないしな。
先輩は否定してたけど、あの二人の絆に割り込める筈がない。
それでもその日から俺は先輩に付きまとった。
ま、護衛の意味もこめて。二度と先輩が殴られたりしないよう目を光らせた。 俺自身は運動部じゃないしネット人間だけど、身長は高いし何より一人より二人の方が安全だ。
先輩はやっぱり仕方ないなという顔で相手をしてくれた。
たくさん話すようになったし、内心ますます惹かれていく自分に戸惑う日々だ。
一つ一つの仕草や笑みが、思いがけない言葉がいとおしい。
だけど、俺はそれを表に出さないよう努力していた。
先輩も、あの告白はなかったことにしているみたいだ
ある晴れた日曜日、先輩は遊ぼうと誘う俺に言った。
「行くとこあるんだ」
…嘉納先輩のとこだ。
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