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それぞれの明日 2

[1772]  にゃんこ  2010-07-28投稿
それから数日間で、俺はようやく自分がどーゆー状況か理解した。

そうだった。
俺は刺されたんだった。
誰だ…えーと、ほら、あ、そうそう、オバハン先生に刺されたんだ。

…。

「悠は?…ねえ、悠は無事なの?」

自称俺のかーちゃんに聞くと悠は無事らしい。
人の心配より今は自分の心配をなさいね、とかクドクド言われて殊勝な顔して大人しく頷く俺。
まだ疲れてるから芝居もかったるい。
つい、乱暴な口調になりそうだから気をつけねえと。
「母さん、いろいろ心配かけてごめんなさい」

リンゴ剥いてた手を止めてオバハンは涙ぐんだ。
いいのよ、アキヒトが無事なら。

無事じゃねえよ、ばーか。
未だにたいして動けねえし、季節はもう冬になってんし…12月とか、冗談じゃねえよマジで。
浦島太郎ってこんな感じ?
「勉強しないと」

オバハンはそうね、貴方なら多分受験にはまだ間に合うわよ、なんつってる。 そりゃ受けるのはお前じゃないんだから何とでも言えるだろ。
受けて落ちるよりゃ、まだ受けない方がいい…けどこの状況で受かれば間違いなくプラスだよな。

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