それぞれの明日 23
明日、退院か。
しばらく待ってみても、あれから何日か待ってみても圭は来なかった。
悠に聞いても言いにくそうな悲しげな顔するだけ。
…会いたくねえってか。 この俺が会いたいっつってやってんのに。
無理に強気に見せても虚しいだけだ。
あ、そういや昨日久々に来た俺の彼女とやらを振っといた。
どうやら後々体に障害が出るらしいから君には負担かけさせられない。
とかなんとか。
奴は泣いて見せて、しばらく計算したあと有り難うとともに風の如く消えた。
うん、ある意味あいつは俺とお似合いなんだ。
障害か…。
体には奇跡的になんの障害も見当たらないけど、心に元々ある障害はどうかな?
ぼんやりしていると
誠司が呟いた。
「先輩がそんなに柄が悪いって知ってると、戻ってきた時、俺、ウケちゃうと思うんすよね」
「余計なこと言ったら…いや、まあいーや。
ウケるだけウケてろ」
誠司は笑って頷いた。
「じゃあウケます。
生徒会報告の時とか」
悠も笑って、俺も悪態つきながら笑った。
ここに圭がいたら、あいつはなんて言うかな。
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