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それぞれの明日 25

[1301]  にゃんこ  2010-08-06投稿
嘘をついたり、駆け引きしたり。
そんな俺を今日、計らずもクリスマスイブだという今日だけは封印しよう。

俺はちゃんと圭を見つめた
「本音で話せるのは…あんな出逢い方して、そんな風になったのは…多分、まともじゃないだろ?
でも楽しかったよ。
正直、お前がいないと物足りない。
悠とも違うな。
とにかく…会いたくなくて会いたかった」

圭は笑った。

「悠に聞いたよ。俺を不幸にしちゃうかもしんないから会わないようにしたってさ…」

「まあな」

「そういう気持ちが…お前にあるとは思わなかった」
俺もね。

圭は俺の頬に触れた。
柄でもなく狼狽える…顔には出さないが。
いや、見透かされてんかな
「この先、俺はお前が受けてきた傷は癒せない」

ああ。
わかってる。

「けど、そばにいて…受け止めることは出来る」


「悠みたいに?なら俺は…いい。やめとくよ…」

圭は眉を片方あげた。
何で?というように。

「お前に誰か大切な人が出来て、俺はその時また一人になるから。
だから、そういうのはもういらない」
頬に触れていた手が、俺の向きを変えさせた。
圭と向き合える心境じゃねーのに。

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