妄、想なんです 6
暫く僕らはだんまりで(僕は死にそうなくらい緊張していました)
シャーペンの芯がポキリと折れた音が、どうやら彼の背中を押したようでした。
「あの…俺ね…」
あ、そうだった、と僕はニヤリとしました。
僕の妄想の中で彼はいつも「僕」だった。
でも本当は「俺」でした。妄想を訂正しなくては、と思ってつい浮かべた笑みに彼は怯んで…唾を飲み込んだ。
「榊君?どうかした?」
名字を言われて、我にかえって、「ああ」と呟いた。
「あの、俺…最近、ずっと榊君に見られてる気がして…気のせいならごめん、でも気になるんだ」
一気に言うべきことを吐き出して、彼はようやくフッと楽になったようだ。
そんな彼をみて、僕はもうなげやりな気持ちになっていたのかもしれません。
「見てたよ。小早川さんのこと。だから?」
はっきり、伝えた。
それが望みじゃないことを知りつつ。
小早川さんとしては、暗に「見てるよね?」と確認をとることで「やめてほしいんだ」という意図を読んで欲しかったんだろう。
まさか認められて開き直られるとは予想外に違いない
この僕ごときに言われるなんてね?
シャーペンの芯がポキリと折れた音が、どうやら彼の背中を押したようでした。
「あの…俺ね…」
あ、そうだった、と僕はニヤリとしました。
僕の妄想の中で彼はいつも「僕」だった。
でも本当は「俺」でした。妄想を訂正しなくては、と思ってつい浮かべた笑みに彼は怯んで…唾を飲み込んだ。
「榊君?どうかした?」
名字を言われて、我にかえって、「ああ」と呟いた。
「あの、俺…最近、ずっと榊君に見られてる気がして…気のせいならごめん、でも気になるんだ」
一気に言うべきことを吐き出して、彼はようやくフッと楽になったようだ。
そんな彼をみて、僕はもうなげやりな気持ちになっていたのかもしれません。
「見てたよ。小早川さんのこと。だから?」
はっきり、伝えた。
それが望みじゃないことを知りつつ。
小早川さんとしては、暗に「見てるよね?」と確認をとることで「やめてほしいんだ」という意図を読んで欲しかったんだろう。
まさか認められて開き直られるとは予想外に違いない
この僕ごときに言われるなんてね?
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