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予感 13

[5151]  輪廻  2010-10-06投稿
一方、美紀の夫・守(マモル)は、人手不足の会社の新支社に、助っ人として呼ばれていた。
一週間、同僚と一緒に地方の知らない支社に箱詰めである。

「まさかここまで人が足りないとはなぁ」

同僚とともに、機材の設置までしていた守は、愚痴をこぼした。

「参りましたね、阪崎さん」

「ホントですね」

阪崎成美(サカザキ ナルミ)は、同い年の同僚で、女性社員の中でもかなりのやり手だった。既婚者だが、子供はおらず、まだまだ現役を続けるらしかった。

「エアコンもまだ点かないから…暑くて」

成美はシャツのボタンを一つ外した。

「この作業全部私たちだけって、ちょっと重労働じゃないですか?」

「え…ええ」

守は美紀以外の女性には、ほとんど興味は示さない。が、成美だけは違った。

既に結婚していた守のいた部署に、
当時部下として配属されたのが成美だった。
当然、その時は何もなかったが、縁あってか、その後も何度か同じ部署・業務を任され、現在に至る。

成美は長い黒髪を軽くまとめ、ポニーテールにしていた。

「どうしたんですか?ぼーっとして…」

「いやぁ僕も暑くて暑くて…」

「自販機はもう入ってるんで、冷たい飲み物買ってきますね」

「あ、なら僕も…」

2人は、休憩室にある自販機を見て呆然とした。

「なにこれっ…全部¨売り切れ¨って…」

「商品の入れ忘れ…ですかね?…こりゃあ自販機の会社にも連絡しないとだなぁ」

「もう、なんでそんなに冷静なんですか……あ、水道水なら!」

成美が軽く蛇口をひねると、
勢い良く水が噴射した。

「ひゃ、きゃぁあ!!」

「わわっ…!!あ〜〜〜…」

流し台から床、壁まで水が大量に跳ね返った。
守はなんとか水を止められた。
しかし、シャツやズボンは水を被ってしまった。

成美の被害は甚大で、頭からスカートまで、ずぶ濡れになっていた。

「最悪……」

「阪崎さん、着替えとかって…」

「あります…けど…ホテルに預けた荷物の中で……」

「とってきます」

「だってお互いに…びしょ濡れで…あ!…」

「成美さん!!」

成美がかかとを滑らせ倒れかかった瞬間、守が間一髪で抱き留めた。

濡れた身体同士が触れ合って、2人は淫靡な気分にならざるを得なかった。

「……………」

「……………」

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