妄、想なんです 17
夜道を歩きながら、身体から欲望が抜けていくのを感じていた。
理央はしばらく体を僕に押し付け、目をつむり…ふいに離れて笑った。
「英士、これは「夢」だよ…いや君の勝手な「妄想」だからね?
…じゃあ、俺いくよ」
あっという間に彼は闇に消えて、遠くで扉の閉まる音が聞こえた。
そして僕の上着のポケットには、この館の鍵が忍び込んでいた。
その鍵をポケットのなかで弄びながら、帰路を進む。
僕は抑えがたい好奇心をたぎらせていた。
嫌いになってくれてありがとうだって?
全く…わからない。
理央には何かある。
刹那の快楽に身を委ねているときでさえ、悲しみと怒りを感じていた。
憑かれたように淫らな肢体からそれを受け取っていた
理央、小早川理央。
もうそれだけだ。
僕の体は、心は、その存在のみが支配している。
繋がったのは身体だけだとわかっている。
だからこそ、欲しい。
小早川理央の全てが欲しい…。
理央はしばらく体を僕に押し付け、目をつむり…ふいに離れて笑った。
「英士、これは「夢」だよ…いや君の勝手な「妄想」だからね?
…じゃあ、俺いくよ」
あっという間に彼は闇に消えて、遠くで扉の閉まる音が聞こえた。
そして僕の上着のポケットには、この館の鍵が忍び込んでいた。
その鍵をポケットのなかで弄びながら、帰路を進む。
僕は抑えがたい好奇心をたぎらせていた。
嫌いになってくれてありがとうだって?
全く…わからない。
理央には何かある。
刹那の快楽に身を委ねているときでさえ、悲しみと怒りを感じていた。
憑かれたように淫らな肢体からそれを受け取っていた
理央、小早川理央。
もうそれだけだ。
僕の体は、心は、その存在のみが支配している。
繋がったのは身体だけだとわかっている。
だからこそ、欲しい。
小早川理央の全てが欲しい…。
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