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予感 24

[4792]  輪廻  2010-10-12投稿
守は妻のそんな不貞に気付くこともなく、自らもまた不貞にのめり込んでいた。

「成美さん、大丈夫でしたか?」

守は成美と自分の着替えをホテルから支社に持ってきていた。

「守さん遅い!…珈琲、せっかく淹れたんですけど」

「あ…す…すみません」

「冗談です。淹れたてです、どうぞ」

「自販機も、使えないと大変ですね」

「ええ、でも……」

「?」

成美は守の隣に椅子を持ってきて、
彼に寄りかかった。

「あなたを待ちながら珈琲を淹れてる時間が……とても心地よかった」

守は成美の頭を抱き寄せ、同時に罪悪感に苛まれた。
いっそのこと忘れたくなった。

―美紀……………―\r

守には成美のシャンプーの香りが、心地よかった。

「成美…………ここにいる間だけ……だから…」

「構いません…………………だから」

「?」

「ここにいる間は、私だけ見てて………ください………」

守はタオルにくるまれた少女のような成美を、もう一度抱きたくなった。

「ね?」

「成美……………ホテル、同じ部屋にしようか…?」

「……馬鹿」

「だめかな」

「…………………いい」





悶々としたまま2人は作業を終え、
その頃にはすっかり夜になっていた。

「やれるもんですね…ああ、疲れた」

「ホテルに帰りましょうか」

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