紺碧の空に星 5
指に力がこもっていく。
白い首筋に食い込んでいく
自分のものにならないならいっそこうして…。
全てを手に入れる為にはこうするしかない。
でも。
本当にそうだろうか?
力を入れた僕の手首を労るかのように、そっと理央の指が触れた。
僕は…。
震える両手を離した。
そして、倒れるように咳きこんで壁にもたれた理央を引き寄せ
思い切り平手打ちにした。
空気を切り裂く音。
理央の唇が切れた。
驚きで目を見開く彼。
「僕を利用して死ぬのか」
理央は頷いた。
「英士…僕は謝らない。愛しているなら犠牲だと思わないで。僕の全てをあげるよ…だから」
殺してよ…と掠れた声で囁いて、理央は泣き崩れた。
踞る理央を無理やり立たせ壁に押し付ける。
「お前のなかに、「僕」は一度もいないの?
いなかったと…そう言うのかよ?」
理央は涙をためた目を逸らす。
「クラスでのお前も皆芝居だと…一欠片のお前自身もいなかったと…」
僕は自分が泣いているのに気づいた。
何故だろう、何故こんなに…。
悔しいんだ?
僕は強く…骨が砕ければいいと願う程強く、理央を抱き締めた。
白い首筋に食い込んでいく
自分のものにならないならいっそこうして…。
全てを手に入れる為にはこうするしかない。
でも。
本当にそうだろうか?
力を入れた僕の手首を労るかのように、そっと理央の指が触れた。
僕は…。
震える両手を離した。
そして、倒れるように咳きこんで壁にもたれた理央を引き寄せ
思い切り平手打ちにした。
空気を切り裂く音。
理央の唇が切れた。
驚きで目を見開く彼。
「僕を利用して死ぬのか」
理央は頷いた。
「英士…僕は謝らない。愛しているなら犠牲だと思わないで。僕の全てをあげるよ…だから」
殺してよ…と掠れた声で囁いて、理央は泣き崩れた。
踞る理央を無理やり立たせ壁に押し付ける。
「お前のなかに、「僕」は一度もいないの?
いなかったと…そう言うのかよ?」
理央は涙をためた目を逸らす。
「クラスでのお前も皆芝居だと…一欠片のお前自身もいなかったと…」
僕は自分が泣いているのに気づいた。
何故だろう、何故こんなに…。
悔しいんだ?
僕は強く…骨が砕ければいいと願う程強く、理央を抱き締めた。
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