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two YOU 2

[4076]  輪廻  2010-10-30投稿
「転勤、ですか……」

双子の高校進学が決まったと同時に、
父親には転勤が言い渡されていた。

「ダメかね?確か仲埼くんは三人のお子さんがいたか…。
でも、もう高校生くらいじゃなかったかね?」

「あ…ええ。はい」

「なら、もう心配ないんじゃないかね?
そろそろ子離れをしないといかんのじゃあないか?仲埼くんも。ははは」

上司はかねてから転勤の希望を募っていた。
希望者が現れないままのため、ついに白羽の矢がたったのが…

「なんで!お父さんが…!」

「大丈夫、たったの一年だよ。
真菜」

「いやだよぉ…」

真菜は涙を流して父親に抱きついていた。

「真菜、泣かない…」

いつも大人びている真希も、注意しながら不安そうな表情を浮かべていた。

「なんだよ二人とも。俺を忘れてないかっての」

「そうだぞ?蓮兄ちゃんはいっつもいるだろ」

「頼りない」
「頼りないよぉ」

揃った声が蓮一の胸に刺さった。

「ほっとけよ!」

「ははは、頼もしいなお前たちは。蓮一、頼んだぞ」

「ああ。…俺の料理が無いからって、あっちで変なもん食べないでくれよ?」

「ああ、気をつける」

「お父さん、頑張ってね」

「うぅ、お父さぁあん!」

仲埼家のゆっくりと幸せな時間を刻んでいた歯車は、
この父親の転勤をきっかけに狂い始める。

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