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さよならは五分前 7

[1344]  にゃんこ  2010-11-21投稿
「俺も同じだ。それに君の言うのも最もだよ。
俺が悪かったんだ、すまない」

華奢な青年はあまりにも脆い。

支えてやらねば、と思う気持ちが海斗を冷静にさせていた。

何かきっと単純な理由があるんだ、そうに違いない。
大人しく頷く簓。

不安げに見上げる彼を元気づけるように笑ってみせた
内心、恐怖で心臓は締め付けられてはいるのだが。
それでも、強がった効果はあった。

簓は笑顔というには余りにも控えめな微笑を返した。
「あの…」

「なに?」

簓は今度は本当に笑って、瞬いた。

「貴方の名前、俺、知らないんですけど」




簡単な自己紹介をしながら二人はミニストップを後にした。

車が動かない以上、仕方ない。

歩いて近くの民家を探す。
「保険屋さんなんですか」
「皮肉にもね」

簓はまた忍び込んできた不安に瞳を揺らし、小さく 「はあ」と呟いた。


明るい表情ならば、優しげで可愛らしいのだろう。
今は青ざめて消え入りそうな風情だ。

緑色の鮮やかな長袖のシャツにジーンズ…

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