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さよならは五分前 12

[1302]  にゃんこ  2010-11-26投稿
「大丈夫…根拠はないけどな、生きてるんだから」

「…貴方を、跳ねた時、笑っちゃうでしょ?俺ときたら明日は給料日なのに!って思ったんですよ。
あ…明日なんて…永遠に来ない…のに」

「…時間が…止まってるな…確かに」

否定してどうなる?

俺だって期待させるような言葉が何一つ浮かばないというのに。

「他の人たちがいないのは何でかな。
俺たちだけ…」

簓は独り言のように呟いてしばし思案顔で唇を噛んだ
「寝れば全てが好転するかもしれないな。
…俺のベッド使えよ」

簓は微笑んだ。
一瞬、ドキッとするほど可愛らしい笑顔で。

「俺は女の子じゃないんですよ、そんなに気を使わないでいいですから」

なら…いや、でも…」

何を焦ってるんだ、俺は。
簓は寝室をチラッとみて、「あの大きさなら2人でも充分じゃないですか。
どっちかがソファーなんて寒くて凍えますよ」

「君がそれでいいなら構わないけど」

まあ男同士なら…間違いもないだろう。
いくらなんでも。

妙に胸が騒がしい。
動揺なんてしてないぞ。

海斗は長袖のシャツとスウェットを簓に放り投げ、何も考えない事にした。

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