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母・女・メス 26

[2767]  ザクロ  2010-12-11投稿
「普通の母ちゃんはセンズリなんて言わねえよ」

「事実を言ってんだよ、お前の机の下、エロ本だらけじゃないか。まったく、勉強しねえとアタシや父ちゃんみたいになるよ!」

美姫の口癖だった。
若い時分、子育てに費やしたことは、やはり彼女にとって悔しいことだったに違いない。
当時26だった竜也とは、永遠の愛を疑わなかった自分だが、何か違う・・と最近特に思うようになっていた。

カイトは机の下に隠して置いた物を確認した。

「あ!ない」

「ああ、小汚ねぇ雑誌は全部捨ててやったよ」

「何すんだよ!借り物だってあったんだぞ?」

「そりゃ悪いことしたね。てめえがそんな所に置いとくからだよ!」

「クッソォ、いい加減にしろよクソばばあ」

「なんだと?親に向かって言う言葉かい!」

取っ組み合いのケンカだ。普通の親子ではあまり見ない光景だ。

元レディースで一時は頭を張ったこともある美姫。さすがにケンカは強かった。
しかし、そこは女。
17の男子高校生が本気でやるわけにはいかない。

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