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扉の向こう側 17

[1065] 日和 2011-01-11投稿
『何を今更!!』

呆れる二人に抗議する。

『だって!紗矢サンの正体を知る前に店長が戻ってきて―』

“兄貴”だの“紗矢”だのもめはじめたからさぁ。

『そうだね。有クンの言う通りだ。俺は周藤紗矢。
周藤弘希の“実の"弟、ね!』

“実の”って…解ってますって。

『もういいだろ。何でお前が居るんだ、紗矢!!』

『そりゃ兄貴が可愛い子を連れてくるって聞いたら〜俺も弟として立ち会わなきゃイカンなぁと…♪』

飄々とした態度で今 すごい爆弾なげた…

『聞いた?!誰にだ!!』

ぇえぇ?!そこ?!

『遠藤慧(けい)に〜♪』

知った名前を聞いて俺も店長も目配せした。

先輩だ。このゴタゴタを仕掛けた影の犯人は。

『慧は“余計な事するな"とか言ったけど〜有クンの顔見に来ただけだし〜』

な〜んもしてないよな?と紗矢サンは俺を見る。

『財布、拾ってくれました…』

紗矢サンはうんうんと満足げに頷くと今度は店長に な?とウインクした。

当の店長は―

遠藤の奴…

一人呟いていた。

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