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トライアングル 2

[1104] にゃんこ 2011-02-15投稿

放課後。

俺には遠目からでもわかるよ。

ほっそりした後ろ姿。
シャンとした姿勢。
着崩さない学ラン、生真面目さが滲む歩き方。

気づくなよ…。

いま振り向くなよ。

静瑠が気づけば、悟られないように想いを逸らさなきゃならなくなる。

静瑠が冷たい廊下の壁に背中あてて、読みかけの本を開いて読み始めた。
多分、エラリークィーンかアガサクリスティ。
俺を待ってる、姿。

変態だな、と思う。
男が、しかも友達だと思われてるこの俺が。
こんな想いで見つめているとは。

切り取ってください、神様
俺に気づいてないアイツを切り取って、閉じ込めて、俺にください。

やばいね、俺。
相当病んでる…。


「琉聖!」

ばんっと背中を叩かれた。
あんまり驚いて、俺は鞄を取り落とした。

「…んだよ、お前か」

安東連理(れんり)

コイツ、最近本っ当に邪魔なんだ。
中学から仲良くはなったんだが…どうも、オカシイ。イイヤツなんだけど…。

「なに、みてんの?」

「別に、なんも」

ほら、こういう時のコイツの顔…。

訳知り顔で、俺を窺う。
「ふうん」


なんだよコイツ!

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