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トライアングル 5

[1010] にゃんこ 2011-02-15投稿

「クリスティ?」

真横に追い付いた静瑠に、そっと聞いてみる。

奴はパッと顔を輝かせて

「うん、単発もの!…えと終わりなきよに生まれつくってやつ」

この顔が見たいから、俺もクリスティ全部読んだんだぜ?
お前と何かを共通していたいから。

「それ、泣けるよ」

「そう?うん、今のところ面白い」

ふっと連理と視線が絡んだ
なんだ?
なにみてんだよ?

「なんだよ?」

「別に〜…」

…前から薄々思ってたんだが…コイツ…まさかだけど…。

「どうしたの?」
「いや」

むっつり黙った俺を、不安そうに見る。
最近よく見るな、この顔。あんまり不安げな顔しないでほしいんだよな。

触れたくなるから。

二人きりだと自分自身が抑えらんなくて怖くなる。
完璧にコイツを「性」の対象で見てる自分に嫌悪するし…同時に堪らなく欲情してしまう。

夢のなかで何回犯したっけな?
都合よく、俺に抱かれる静瑠。
現実にはない…。
わかってるよ。

それでも時々、その髪に…真っ直ぐで真っ黒な髪に指を通してしまう。

そんなとき、願うんだ。
どうか指先の震えに、気づきませんように…って。

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