HAPPY Christmas! 2
「なに?鬼みたいな顔して…キツい目付きが一層怖くみえる」
烏丸(からすま)晴明(せいめい)は氷のような鋭い目で言い捨てた
どっちが「鬼」だっての!
あああ、でも俺ときたら…
俺ときたら!
完全に!
し、尻尾がバタバタしちゃってるじゃねえかぁ!
「晴明、もう帰れんの?じゃ、行こ行こ行こ♪♪」
情けない…情けないが…だめだ、晴明を見るとテンションがマックスバリューなんだ…
そう、つまり、俺がリア充になれないのは
コイツ、烏丸晴明が邪魔をしているのだ
晴明自体も知らないだろうが、いや、知られていたら死にたくなるが
この流氷にも劣らない潔癖の、清廉の、恐ろしいほどに真っ直ぐな穢れなき男が…
好きなんだ
…我ながら引いちゃうぜ
なんの因果で同性の、しかも明らかに望みのない奴に惚れちゃったりしたんだ…
高校で出逢ったとき、晴明は学年トップで受かっていた為、答辞を読まされていた
眠くてウトウトとしていた俺は、その凛と響く声を聴いた瞬間、身体中が目覚めた
まだ冷たい朝の空気よりも清々として美しく、姿勢も正しく…気品溢れる皇子の如く、奴はそこにいたのだ
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