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[1906] 輪廻 2012-05-03投稿
「ティアちゃん、今日はどうしたの?少し遅刻していたみたいだったから…」

倫子は不思議そうに、ティアに訊ねた。

「うん、大丈夫…。ちょっと迷っちゃって」

「明日からは一緒に行こうね」

まずい流れになったと、ティアは少し後悔した。怪しまれないよう、「朝食の後片付けを手伝わせてもらう事になった」と、取り繕った。

昼休みもあっという間に終わり、教室に戻ろうとした時、倫子は一緒に教室に入ろうとした男子と体がぶつかった。

「あ、悪ィ。大丈夫?」

「!…う、うん。こっちこそごめん」

ティアは彼女の反応を見て、あの男子生徒への彼女の想いを容易く理解できた。

「倫子、顔真っ赤だよ」

「…!!ティアちゃん…!」



放課後、倫子は委員会活動に向かった。
生徒会に所属しており、あの男子も一緒だった。

「鷹松(タカマツ)くんっていうんだ」

「……うん」

「格好いいし、頭も良さそう」

「………!……」

「頑張りなよ」

「え!?」

「生徒会の仕事」

ティアは倫子をからかいながら、
彼女がリラックスして委員会に行けるようにつとめた。

「じゃ、じゃあね!」

「うん、先に帰ってる」

ティアは校門を出ると、その瞳を暗くした。
家には今とは「かけ離れた」現実が待っている。

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