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彼女の望んだ解答 Q14

[2018] 輪廻 2012-07-23投稿
「………」

「………」

起きたのはほぼ同時らしかった。
雪美の大きな瞳に、恭太は自らの顔を映した。

二人はマットレスの上に、掛け布団やシーツを駆使して、簡単なベッドをこしらえて眠っていた。

お互いに、あれだけの事が起きた翌日なので、改まると緊張を隠しきれなかった。

「お、はよう……」

「おはよう…ございます……」

お互い起きようと上体を起こすと、
脚同士は複雑に絡み合っていた。

すぐに離れたが、気まずさが残った。

雪美はコーヒーの準備を始め、
恭太はトーストと、簡単な朝食を作った。

二人は無言でそれを口に運びながら、
昨日、眠りにおちる寸前までに起きた出来事を反芻していた。

(……………)

(……………)

雪美は思い出せば思い出すほど恥ずかしくなり、しかし最後には恭太の一言に救われ、自らの気持ちを吐露できたのだ。

恭太は、少し彼女を強引に扱い過ぎたと反省していたが、時おり彼女はこちらをじっと見つめてくれるので、不快には思われなかったのだろうと安堵した。

「お口に合いましたか、先生?」

「はい。美味しかったです、とても」

「良かったです」

(……………)

(……………)

「あの…先生?」

「は、はいっ」

黒髪を揺らし、驚いた様に雪美は返事をした。

「今日は、土曜日で…先生もお休みで良いんですよね?」

「はい、特に校務はありません」

「じゃあ、どこか行きませんか?」

「どこか……」

「あ、いや、勿論、先生の都合が…」

「行きましょう。どこか」

雪美は当然の様に返事をした。

「私……海に行きたいと思っていました」

「良いですね、海!」

雪美は急に顔を赤らめ、言った。

「み、水着とか、……着なければなりませんか?」

恭太は心底見たかったが、彼女を強引にはできないと反省した直後だけに、なんとも言い出せなかった。

「お、おまかせします…先生に」

雪美は意外な返答に驚いたが、すぐに水着があるのだろう部屋に入って、何かをバタバタと準備していた。

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