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marigold #3

[2437] 輪廻 2012-08-01投稿
放課後、二人はクラスの図書委員を任されているため、委員の活動で図書室に来ていた。

「はぁ〜。なんでこう本がバラバラになってんだか…」

「夏休みに図書室の整理もしたのにね…。こんなにバラバラになってるなんてちょっとショックだなぁ〜」

「あ、優、それはこっちの棚…。
…あ、それはこっちの……。
え…あ、違う…ちょっと!!アンタの入れる本と私の入れる本の棚、位置違うから!!
なんでこんな狭い空間の本棚の位置間違えるかな…。アンタはあっちの棚だっての!
………ああ〜、いちいち泣くな泣くな、強く言い過ぎたって…」

「だって……沙耶ちゃんが……うぅ…」

いつもこんな調子の優を、沙耶が放っておけるはずも無かった。
だからこそ、職員室へ向かう途中言われた一言が余計、沙耶の心には引っ掛かっていた。

「優…」

「ん〜、なあに〜」

「アンタさ、その……。好きな男子とかいないの?」

「いない、いない〜」

沙耶は毎回、当然のように答える優に、少なからず胸を痛めていた。
優の"事情"を知っているから。

「私には沙耶ちゃんが居ればいいもん」

「ったく…」

「こっちは終わり〜」

「早ッ…!アンタ言われたことやるのは早いんだよね」

「へへ〜」

褒められて得意になっている優を無視して、沙耶は自分の持ち場の整理を続けていた。
沙耶が踏み台から足を下ろした時、不意に、優が後ろから抱きついてきた。

「…っと!!マジに危ないっ…て…………?優?」

優は後ろから抱きついたまま、沙耶の背中で泣いていた。

「優…?今日は特にヘンだぞ…。どーした?」

「今日は特に…って……。いつもヘンみたいじゃん……」

「いつもヘンでしょ?」

「……………私…男のひとはやっぱり好きになれないよ……」

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