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the angel make love 2

[1587] 輪廻 2012-08-09投稿
「いや、死んだんだろ?
んじゃここは天国か地獄なんじゃねーのか?
何にせよ、今日までのつまんねー人生ともこれでオサラバってワケだ。
最高だな」

「あ…あの〜、正常学園二年B組出席番号30番の皆島貴斗さんでいいんですよね?」

「……姉ちゃん、どっかで会ったか?」

「ち、違いますっ!!あなたは死んだんですよ!生前のあなたの事くらい全部把握してありますから!!」

「…ふぅん。あ〜、あんた名前は?」

「私はあなたの天界案内人のアレイア」

「アレイア?言いづれェな…なんかあだ名ねェの?」

「は??あ、あだ名なんて…ありません!!強いて言うなら生前の名が花子(ハナコ)でしたけど…」

貴斗は思わず吹き出した。

「花子って…!今は、ア、アレイアなのか?ふははは!」

「わ、笑わないで下さい!!私はその名前は捨てました!!」

「…はっ。言いづれェ名前よかよっぽどマシな名前だ。おい、花子!あそこに見えンのはなんだ?」

草原を抜けると、一面の花畑に、
澄んだ色の細い河が幾つも流れていた。

その先には大きな都市があった。

都市の中心には、下の町々を覆うほど巨大な大木があった。

「……。着きました…。
天界の宿場町・リベルです」

「花子てめ…よくわかんねェな。ここは天国なのか?」

「い、いえ…ここは天界。天国と地獄は、それぞれこの空間の上下に位置しています」

「ふぅん…さっさと決めようぜ。どーせどっちかに行かなきゃなんだろ?」

花子は俯いて、首を振った。

「よく聞いて下さい…貴斗さん…。わ、私は……間違ってあなたを殺してしまいましたっ!!」

「…………」

「あなたの人生はこれから劇的に変わる予定でした…。
あの事故は本来、あなたの後ろにいた女性が遭う、軽めの事故で……。
あなたはその女性を助けて、恋に落ち……家族の温かさを知り…そして…そして…。
…うぅ!
…本当に申し訳ありません…っ!!」

「いや…気にしてねーから。まったく」

「へ?」

「だから、
死んだなら死んだでいいから。

さっさと決めようぜ、天国か地獄」

「き、気にして…ない?
だ、だって…あなたの人生の劇的な転換期で…その本人のあなたを殺してしまったのに…?」

「転換期って……お前…だいたいな、
跳ねられた時チラッと見えたが、俺の後ろにいたのなんて婆さんだぞ?
もし仮に生きてたら、その婆さんと俺がどうにかなるってのか?
それこそ勘弁してくれよ…」

「!?!?お婆さん…!?そ…そんなハズは…」

「だあぁー!ッせぇーなぁ!!良いからとっとと決めろよ!あの町に行きゃいいのか!?」

「は、はは、ハイ!!!」

貴斗は再び不機嫌そうな表情になり、
花子は黙って彼の後を追うのだった。

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