誠治の旅1~新たな旅立ち~❮アブノーマルより❯
❰はじめに❱
この作品は❪アブノーマル26❫からの続きです。
今回からタイトルが変わります。
これまで家政婦として…誠治の母親代わりとして…誠治の女として…
仕えてくれた優子は亡くなった。
誠治は優子の日記を読み、優子の過去を知る事になった。
優子は恋多き女で、父の弘治と愛し合っていた事が分かった。
二人は愛し合いながらも、母の美園の陰謀により、
人生を狂わせ、結婚する事はなかった。
そして、誠治は弘治の子供ではなかった。
優子を失ったショックに加えて、
酷い真実を知る事になった誠治はやるせない気持ちになっていた。
このままこの家に居ていいのだろうか?…
まだ高校2年生の誠治には支えが必要だった。
しかし、弘治は
「大学を卒業するまではここにいなさい。
学費や生活費の事は心配しなくてもいい。」
と言ってくれた。
ありがたい話だが、誠治は負い目を感じるようになった。
そんなある日、
優子の高校の担任だった森谷と優子の同級生の浩一が誠治を訪ねてきた。
二人とも優子の葬式にも来ていた。
優子の日記を読み、この二人も優子と関係していた事は誠治も知っている。
森谷は教師を辞めて、現在は実家の不動産業の跡継ぎとなり、
趣味でキックボクシングのジムを経営していた。
浩一は実家のラブホテルを継ぎ、会社を経営していた。
「突然訪ねて来て、すまんな。
優子の葬式の時に話そうと思っていたんだが、
落ち着いてから、来ようと思っていたんだ。」
森谷は言った。
「お話って何ですか?」
誠治が言うと、
「そっけないな…お前が弘治の息子ではない事で悩んでいるんだろう?」
「えっ…知ってるんですか?」
「優子から話は聞いている。
実は少し前に優子が俺を訪ねて来てな。
私に何かあったら、誠治の支えになって欲しいとな。
優子には分かっていたんだろうな。」
森谷が言うと、
「俺の所にも同じ事を頼みに来たんだ。」
と浩一が言った。
「そうだったんですか…?」
「君は父親が誰か分からなくて、悩んでいるんだろう?
それなら、俺も同じだ。
うちは母子家庭で、父親は誰なのか分からないんだよ。
それでも、今はこうして生きている。」
浩一が言うと、
「俺だけじゃないんだ…」
「そうだ。人は誰しもいろいろな事情がある。
人生は行き先の分からない旅のようなものだな。」
森谷も後押しをしてくれた。
「なんかスッキリしました。ありがとうございます。」
「元気になったようだな。そうだ…
よかったら、これから俺のジムに来ないか?」
「はい、お願いします。」
誠治は森谷に連れられて、森谷が経営するキックボクシングのジムに向かった。
「どうだ?みんな一生懸命に練習しているだろう?」
「そうですね。あっ…あの人…テレビで見た事ある。」
「奴はプロだからな…でも、そうなる前はアルバイトもして、
大変だったんだぞ。」
「苦労したんですね…」
「ここに来ている奴らはそれぞれいろいろな事情があってな…
でも、みんな好きで来ている。
みんないい奴だぞ…よかったら、お前もやってみないか?」
「なんかやりたくなってきました。」
そして、誠治は森谷のジムに通い、キックボクシングを始めた。
練習生達とも打ち解け、誠治は次第に元気になっていった。
しかし、優子がいなくなって、
性処理のほうはマスターベーションで処理をする日々が続いた。
女がいる事の有り難みがよく分かった。
そんなある日、
誠治は友達の悠太と雅司との三人で一緒に下校することになり…
悠太と雅司は小学生からの友達で、今も同じ高校に通っている。
二人の母とセックスをした事は二人には内緒にしてある。
それ以来、誠治は二人の家に遊びに行っていない。
誠治の家が三人のたまり場になっていた。
「今日は俺んちに来いよ。」
と悠太が言った。
「えっ…」
誠治は驚きの声を上げた。
「雅司はちょくちょく来てるけど、誠治は来なくなったよな?
なんかあるのか?」
「何もないよ。」
「あやしいな…お前が来なくなって、お袋が『誠治君は来ないの?』
ってしつこく聞いてくるんだよ。」
「まあ…忙しかったからな…」
「女か?」
「いや、空手と水泳で大変だから…」
「本当か?」
「本当だよ…」
「誠治…なんか慌てていないか?」
今まで黙っていた雅司も誠治を攻めてきた。
「慌てていないよ…お前達の思い過ごしだよ…」
「まあいい。お袋もお前に会いたがっているし、来いよ。」
「そうだよ。」
行かないと、こいつら怪しむもんな…
あまり断ると不審に思われるので、誠治はしぶしぶ了承した。
真理恵の色っぽい仕草と喜ぶ姿が目に浮かんだ。
恥ずかしいよ…
ーつづくー
この作品は❪アブノーマル26❫からの続きです。
今回からタイトルが変わります。
これまで家政婦として…誠治の母親代わりとして…誠治の女として…
仕えてくれた優子は亡くなった。
誠治は優子の日記を読み、優子の過去を知る事になった。
優子は恋多き女で、父の弘治と愛し合っていた事が分かった。
二人は愛し合いながらも、母の美園の陰謀により、
人生を狂わせ、結婚する事はなかった。
そして、誠治は弘治の子供ではなかった。
優子を失ったショックに加えて、
酷い真実を知る事になった誠治はやるせない気持ちになっていた。
このままこの家に居ていいのだろうか?…
まだ高校2年生の誠治には支えが必要だった。
しかし、弘治は
「大学を卒業するまではここにいなさい。
学費や生活費の事は心配しなくてもいい。」
と言ってくれた。
ありがたい話だが、誠治は負い目を感じるようになった。
そんなある日、
優子の高校の担任だった森谷と優子の同級生の浩一が誠治を訪ねてきた。
二人とも優子の葬式にも来ていた。
優子の日記を読み、この二人も優子と関係していた事は誠治も知っている。
森谷は教師を辞めて、現在は実家の不動産業の跡継ぎとなり、
趣味でキックボクシングのジムを経営していた。
浩一は実家のラブホテルを継ぎ、会社を経営していた。
「突然訪ねて来て、すまんな。
優子の葬式の時に話そうと思っていたんだが、
落ち着いてから、来ようと思っていたんだ。」
森谷は言った。
「お話って何ですか?」
誠治が言うと、
「そっけないな…お前が弘治の息子ではない事で悩んでいるんだろう?」
「えっ…知ってるんですか?」
「優子から話は聞いている。
実は少し前に優子が俺を訪ねて来てな。
私に何かあったら、誠治の支えになって欲しいとな。
優子には分かっていたんだろうな。」
森谷が言うと、
「俺の所にも同じ事を頼みに来たんだ。」
と浩一が言った。
「そうだったんですか…?」
「君は父親が誰か分からなくて、悩んでいるんだろう?
それなら、俺も同じだ。
うちは母子家庭で、父親は誰なのか分からないんだよ。
それでも、今はこうして生きている。」
浩一が言うと、
「俺だけじゃないんだ…」
「そうだ。人は誰しもいろいろな事情がある。
人生は行き先の分からない旅のようなものだな。」
森谷も後押しをしてくれた。
「なんかスッキリしました。ありがとうございます。」
「元気になったようだな。そうだ…
よかったら、これから俺のジムに来ないか?」
「はい、お願いします。」
誠治は森谷に連れられて、森谷が経営するキックボクシングのジムに向かった。
「どうだ?みんな一生懸命に練習しているだろう?」
「そうですね。あっ…あの人…テレビで見た事ある。」
「奴はプロだからな…でも、そうなる前はアルバイトもして、
大変だったんだぞ。」
「苦労したんですね…」
「ここに来ている奴らはそれぞれいろいろな事情があってな…
でも、みんな好きで来ている。
みんないい奴だぞ…よかったら、お前もやってみないか?」
「なんかやりたくなってきました。」
そして、誠治は森谷のジムに通い、キックボクシングを始めた。
練習生達とも打ち解け、誠治は次第に元気になっていった。
しかし、優子がいなくなって、
性処理のほうはマスターベーションで処理をする日々が続いた。
女がいる事の有り難みがよく分かった。
そんなある日、
誠治は友達の悠太と雅司との三人で一緒に下校することになり…
悠太と雅司は小学生からの友達で、今も同じ高校に通っている。
二人の母とセックスをした事は二人には内緒にしてある。
それ以来、誠治は二人の家に遊びに行っていない。
誠治の家が三人のたまり場になっていた。
「今日は俺んちに来いよ。」
と悠太が言った。
「えっ…」
誠治は驚きの声を上げた。
「雅司はちょくちょく来てるけど、誠治は来なくなったよな?
なんかあるのか?」
「何もないよ。」
「あやしいな…お前が来なくなって、お袋が『誠治君は来ないの?』
ってしつこく聞いてくるんだよ。」
「まあ…忙しかったからな…」
「女か?」
「いや、空手と水泳で大変だから…」
「本当か?」
「本当だよ…」
「誠治…なんか慌てていないか?」
今まで黙っていた雅司も誠治を攻めてきた。
「慌てていないよ…お前達の思い過ごしだよ…」
「まあいい。お袋もお前に会いたがっているし、来いよ。」
「そうだよ。」
行かないと、こいつら怪しむもんな…
あまり断ると不審に思われるので、誠治はしぶしぶ了承した。
真理恵の色っぽい仕草と喜ぶ姿が目に浮かんだ。
恥ずかしいよ…
ーつづくー
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