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隠れんぼ 5

[10491]  ザクロ  2008-05-16投稿
「あれから何年かなあ。もうトシだからなあ、上れるかなあ…」

ウソ!?

おじさんは柵を越えて、葉っぱが重なって崩れかけた段々に足を踏み出した。

うわ…付き合いきれないよ、家に戻っちゃダメかな…

「わ!」

カッコわる、滑ってる…

「今笑っただろ?」

笑顔に誘われて私は吹き出してしまった…

サラサラと笹が揺れている…
いつの間にか…私も後を追って懐かしい段々を歩いていた…

最近こんな所で子供は遊ばないんだろう…人が歩いた痕跡は微塵もない。サンダル履きにスカートの私は大いに苦労した。

二人とも衝動的に山に入ったようなもんだから、ひどく場違いな服装…

しばらくすると、椎茸の組木が現われた…

「あ〜、ここ見覚えがあるなあ」

おじさんは懐かしいんだろうけど、私はちょっと複雑な気持ち…

あれ…足がうまく動かない…あ!!…
「きゃ!」

ドサ!

完璧な尻餅をついた!

「アハハ…大丈夫か?」

「いったあい…」

組木を背もたれみたいにして、私は立ち上がれない…

おじさんは私に近付いて、頭をくしゃっとした…



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