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家族愛69

[9421]  ザクロ  2009-01-15投稿
「そんなにヨカッタのか…」
孝行の嫉妬は思わずこんな質問をぶつけてしまう…涼子には残酷な言葉だったかも知れない…

涼子は目を潤ませた。

(あなたを…愛してる…)

それは孝行にもわかっていた…

(ああ…多分な…それは信じてる)

孝行は込み上げる感情をねじ伏せた。
自分だって、自分だって…
心の中ではそう繰り返している…

充分な沈黙…孝行の落ち着きを見て、涼子は素直な告白をした方がいいと思った…

(…あなたの言う通り…裕之は可愛い息子……いじらしかったの…)

孝行は黙って続きを待った。まったく同じ思いをした彼は一方では共感している。

(…こんなこと……いけないと思うと……余計に…)

涼子はここで口ごもった…
(…ふしだらな…女です…私は…)


素直になった涼子を、孝行は愛しいと思った…

トン…トン…
階段に遠慮がちな足音が聞こえた。
裕之が様子を見に恐る恐る下りてきたらしい。

(そうだ…お前は…ふしだらな母親だ…ふしだらな女房だ!)

そう言うと孝行はコタツから立ち上がった。



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