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家族愛76

[9824]  ザクロ  2009-01-23投稿
孝行はひと唾飲み込んでから続けた…

「父さんは…母さんを心から愛してる…それはわかってくれ…」

涼子はよくわかっている。自分もそうだ。

「真弓のことは…どうなの?」

聞いてみたかった。
どう答えるのか…

「真弓は…」

真弓も父親の言葉を待っていた…

「可愛い娘だ。可愛くて…たまらない娘だ…それも本当だよ…」

しばらく沈黙が流れた。

「さっき父さんは…」

裕之が口を開いた。

「避妊だけはちゃんとしろって言ったよね…」

涼子は夫を見た。
複雑な思いが駆け巡る。

「許してくれたんだ…よね?」

まただ…

「そんなこと…答えられるわけないだろ?…ダメだと言ったって、お前…」

避妊…

真弓には生々しい言葉だった。
つまり、目の前の兄の性器が、目の前の母の性器と結合すると言う意味だ…


「結局…」

今度は真弓が始めた…

「元に戻るのは…」

無理だ…
みんなが心の中で思った…



さして何の結論も出なかったが、四人は少しだけ気持ちの負担が軽くなった。

昼食は静かだったが、居心地の悪さはなかった。

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