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君に言いたいコトがある4

[2931]  ねこ  2009-10-03投稿
ラブレターを渡せないまま、昼休みになってしまった。

なんか気まずくないか?
あの女子、直接翔に渡してくれたらいいのに!

俺は多少イライラしつつ
ドカベンをかっこんでいる翔に声をかける。

「なに?…なあなあ、この冷凍の唐揚げって結構うまいのな〜♪♪」

いや、この際唐揚げの情報はいらない。

「ほら、これやるよ」

薄いピンクの可愛い手紙を渡す。
俺が恥ずかしいのはなんなんだ…↓

「…ナニコレ」

綺麗な顔が台無しなくらい飯を突っ込んでる。
弁当をどけると、無造作に手紙をあけた。

「え、お前ここで読むのかよ」

「…だってただのラブレターじゃん」

…え。
なにコイツ。
意外にも速攻で理解してんじゃん。

「うわ〜。俺、鳥肌立ってきた」

あからさまに嫌な顔。
次の瞬間、翔は容赦なく手紙を引き裂いた。

「わっ!おま、ちょっと…酷くね?」

翔はさっきまでの無邪気な顔を完全に封じた。
見たこともないような、嫌悪感丸出しの冷たい瞳に俺は固まる。

「酷い?どこが?
こういうの中学んとき山ほど貰ったけど…みんな内容おんなじなんだ。
一目みたその日から…とかさあ。
コイツらが俺の何を知ってんだよ?
話したこともねえのに、好きだなんて笑わせんなって」

怒りに顔を歪ませる。

「…翔、落ち着け」

クラスの奴等が俺達を注視しているのに気づく。
あの女子は真っ青な顔をして俯いていた。
余りにも気の毒で視線を逸らす。
彼女が今、教室を飛び出せば、ラブレターを書いたのは私です、と宣言するようなものだから出来ないでいるのだ。

翔は酷薄な言葉で意図的に彼女を責めているのだろうか?
なんの為に?

そんな意地の悪いやつじゃないことを俺は知ってるのに。

「見てんじゃねえよ、暇人ども」

捨て台詞を吐いて、教室を飛び出したのは翔の方だった。

俺は慌てて後を追っていった。

静まり返った教室に居づらかったのも確かにあるけれど。


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