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夫の三回忌 <7>

[4401]  松本房恵  2009-10-05投稿
「ご住職はお休みになりました!広い本堂に御仏と私達、三人だけです。私どもは見知らぬ伊勢の坊主、仏の化身です」
私の両手はダランと横に垂れていました。

堅伸様が、喪服の裾を左右に割るように開きます。太腿の内側に男の手の感触…ああ、これ…この感触だった…あの当時の…。
ブラジャーを着けていない左の乳房に直に手が入って来ました。
深く、長い吐息が私の口から洩れました。
堅伸様に抵抗して両脚をきつく締めた積もりでも、自然と開き、ハッとして締める、繰り返しです

範良様は、私が手を緩めたのを見て、襟元をグイと拡げました。
堅伸様は帯絞めを解きにかかります…。
「ああ…困ります!…」
私は帯絞めだけは抵抗しました。が、堅伸様は馴れた手つきでシュルシュルと引き抜くように…

「手が遊んでいると、真面目な奥様程、どうしても拒否したくなるものです。最初だけです!…我慢して下さい。直ぐに解きますから…」
そう言うと、椅子の手摺りに手首を片手ずつ、帯絞めで縛ったのです。
強くもなく、弱くもない縛り方でした………。

範良様は、私の背中を前に押すようにして、背中の帯を解き始めました。
私はもう、身を任せるしかありませんでした。
「奥様、私どもが、何年も奥様を苦しめてきた、煩悩を取り除きます。それにしても、美系の上、この体で二年半は…苦しんだことでしょう」

広い本堂に衣擦れの音だけが響きます。
シュルシュルと……
「ほんとに…悩みストレスは…無くなり、ますか?秘密が…守れて…誰にも、知られないで?」
私は身を任せたまま範良様に尋ねました。

「何を見ても、聞いても…心からお笑いになる事も無かった筈です。心の何処かに、いつもイライラしたものがあって…カンに障る事ばかり…そうでしょう、奥様!」
範良さまの言う通りでした……。

堅伸様は足袋のハゼを外し脱がせます。
下着は着けてはいましたが薄い喪服を着ることでもあり、跡形が見えぬように横にフックのついた薄く小型のものしか着けて居ませんでした。

「奥様、今は私たちを生グサ坊主と思われるでしょうが、終わった時に感謝頂ければ結構……」

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