月夜の晩に 2
そもそも、葉瑠先輩は相当悪い奴だと俺は思う。
美術部で大人しく絵なんか描いてる人じゃない(笑)
でも俺が一年の時は少し軽い感じで、いつも周りに女子がいる人ってだけのイメージしかなかった。
女好きっぽいし、実際好きだろうと思う。
俺はその頃も女の子に興味がなくて…とゆーより、人間に興味がなくて、絵だけ描いてりゃ満足だった。
油絵は嫌い。
アクリルガッシュがいい、油絵は…めんどい。
となんかの拍子に先生に宣言し、キレられたのを見ていた先輩は笑って俺の髪をクシャクシャにした。
「お前って、本当に飾らん奴だねえ」
とか言っていた。
「飾る必要ないスよ。俺なんか飾ったところでたかがしれてますから」
ネガな発言だが、先輩はその性格同様、軽く流してうけていた。
そっからだ。
先輩がチョコチョコ俺にチョッカイ出し始めたのは。
「秋原風見って綺麗な名前だねえ〜」
「…男で綺麗なんて不気味なだけっすよ」
だの
「風見、暇なら今日遊ばない?」
「遊びませんね、暇ですけど」
とか。
そんなんだった。
あの日までは。
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