私は人妻が好きだ。
抱くのは人妻に決めている。それも『悦び』を知っている30歳以上の人妻
それ以前に『人妻』という響きに立場に酔う。
…他人の持ち物、盗む、奪う、犯す、喘がせる、堕とす、抱いた後の戦利品のｲﾒｰｼﾞ…これに痺れる
具体的に言えば旦那以外の男、つまり私のペニスを口に含んだ瞬間に快感が体を走る。
強制的にではなく自主的に旦那を裏切った瞬間だ
馴染みのﾊﾟｰｷﾝｸﾞに車を停めて今日も獲物を探して街を歩く…。
天神を歩いた。
スポ紙を買って喫茶店に入る。
ﾓｰﾆﾝｸﾞｻｰﾋﾞｽのﾗｽﾄｵｰﾀﾞｰぎりぎりだ。
どんな人妻でもいい訳ではない。ガツガツするのは嫌いだ。
時間はかかっていい。
店の客は多くはない。
ｶｯﾌﾟﾙばかり四組。
女は誰とでもｾｯｸｽしていそうな若い娘もいる。
気になるｶｯﾌﾟﾙが居た。
気になるのではなく、『気に食わないｶｯﾌﾟﾙ』だ。女は私に背中を向けていて顔は判らない。
気に食わないのは男だ。
ここから見ても判る英字新聞を読んでいた。
まあ…身なりもいい。
私は何故か馬鹿にされた気がしてスポ紙を畳んだ
それでも、チラチラと様子を窺う内、男は横に置いたｱﾀｯｼｭｹｰｽを下げて店を出て行った。
まあ…私から見てもﾊﾝｻﾑな顔つきだった。
一人残された女の方はｳｴｰﾀｰを呼んで飲み物をｵｰﾀﾞｰしたようだ。
背中しか見えない。
『…観光ﾏｯﾌﾟ…かしら』ｳｴｰﾀｰと交わす会話がところどころ聞こえた。
その声に私は一瞬、オッと思った。
行きたくもないトイレに立ち、帰りに女の顔を見た！！好みのタイプだ！
通り過ぎる数秒間にかなりのことが判断出来た。
人妻。32〜35歳。福岡人ではない。ｽﾚﾝﾀﾞｰ。暮らし向きは上？。…
仲の良いとまでの付き合いはないが、顔馴染みのそのｳｴｰﾀｰを呼んで聞いてみた。
…名古屋から主人の会議に付いて来たが夜まで時間があるので福岡市内の観光ﾏｯﾌﾟは無いか…と聞かれたとｳｴｰﾀｰは小声で教えてくれた。
状況は判った。
ﾀｰｹﾞｯﾄは決まった！
私は女の声を聞いてオッと思ったのは上手く説明できないが『動物的勘』と言う奴だ。
男好きのする声というか。…顔を見て確信を深めたからだ。
と、私が言ってもこの種ゲームの成功率はプロ野球の打率並みだ。
店を出て右に行こうか左に行こうか迷っている女に７割の失敗を覚悟して声をかけた。
『あの、失礼かと思いましたが、市内観光をご希望とか？』
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