シャワーを浴びている頃だろうか…
拓哉は入浴中の優衣の姿を想像しながら、狭く暗いクローゼットの中で待った。
ふと、リビングの方から話し声が聞こえてきた様な気がした。誰かいるのか?
拓哉は息を潜めた。
優衣がテレビを視ているのか? 分からない。
声が途切れた。
拓哉は苛立ちを覚えた。
何れくらい時間が経っただろうか、寝室のドアが開いた。初夜を迎えに、優衣が遂に来たのだ。
ドクン?
拓哉の心臓の鼓動が暗闇に溶け込んだ。
寝室の明かりがつき、パイルのショートパンツとタンクトップ姿の優衣が映し出された。拓哉はクローゼットの隙間から覗き込み、美の女神の降臨に暫し心を奪われた。これだ? 拓哉は思った。自分の中の空虚を埋めてくれるただ一つの存在――― 優衣に愛されたい。この瞬間、拓哉は己の生きる意義を見つけたと感じた。
地方まで足を運び、美しい少女達を強姦した。拓哉にして最高だと思う程の少女達を選んだ。だが違っていた、優衣は拓哉が近づくのを躊躇う程の高貴なオーラを放っていたのだ。
事実、拓哉は動けなかった。直ぐ側に優衣がいるのにそのあまりの美しさに怖じ気づいてしまっていた。
拓哉の全身が震えた。自分が緊張するなど、一生涯あり得ないと思っていた。だが何故か拓哉は、ニィーっと妖しい笑みを浮かべていた。
?
誰かが入って来た?
突如、二人だけの世界が壊された。入って来たのはなんと、運転手の吉岡だった。
(なんだアイツは? )
拓哉は息を殺した。
ポケットに入っているカッターナイフを無意識に掴んでいた。
優衣が吉岡に抱きついた。拓哉に衝撃が走った。
背丈が拓哉よりも少し高い吉岡は、プロレスラー並の体格をしていた。優衣も女性としては身長が高かったが、抱き合うと子供の様に小さく見えた。
「ホントにオレで良いのかい? 」
吉岡の問いかけに優衣がコクリと頷き、瞳を閉じた。
長い口づけの後、吉岡は優衣を抱えベッドへ運んだ。優衣を寝かせると再び熱い口づけを交わした。
「 …初めてなの…」
優衣の言葉に、二人が見つめ合った。
「ああ、分かってるよ。優しくするから… 」
三度目の口づけと同時に、タンクトップの上から吉岡は優衣の乳房を揉みしだいた。
優衣は目を閉じ、身を任せた。