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セピア色の予知夢?

高橋  2010-05-18投稿
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【おばさんになろうとどうなろうと、恭子は恭子だよ。かく言う俺も変わったけどな。まだ、頭は禿げちゃいないけどね…食事してお茶でも飲もうよ…話したくて…】
【…話って?…】

【今、電話で話す事じゃないけどな…俺、あん時…恭子…覚えてる?】
【…聡……私達、もう大人よ…奥様だって……私も…】

【…巣も作れん男さ!結婚する気になれなくてまだ花の独身、俺!…しかし、そうか…恭子はそうだよなあ…俺、恭子の参加通知を見て、舞い上がってさ…懐かしくて……ゴメンな…】
【あっ、聡、私も今長電話出来ないの!とにかく前の日、実家に泊まってるから…電話、切るね】
私から携帯を切った。

私はへなへなとそこに座り込みたい気分だった。
私こそ、あのハガキを見て舞い上がっていたのだ予知夢などでは無い。
単なる主婦の欲求不満でしかなかったのだ。
センチメンタルな青春の思い出にはけ口を求めただけだったのだ。

私はその足でショッピングモールへ食材の買い出しに回った。今夜は久しぶりに隆に抱いて貰おうと思う。
隆の好物のお刺身を買った。

しかし聡が独身だったとは意外だった。
聡はバレーの強い有名私大に勧誘されて大学で活躍をした。
そして今の会社の実業団バレー部に入ったのだ。
スポーツ紙にも度々載った。…将来は指導者になりたい…などという談話も読んだ記憶がある…
この頃までは私も知っている。
でも 15年振りに聞く聡の声は元気そうだった。
結婚してなかったのか…


【ねえ、同窓会だけど…せっかく家に帰るんだから母さんと話もしたいし、二泊して来たらダメかなあ】
その晩、隆に話をした。
【いいよ。ゆっくりして来いよ。俺の分まで肩揉んであげてな。…俺も、接待ゴルフが入りそうだから】
と隆は言った。
【ありがとう。ごめんね勝手言って。ゴルフはいつ?】
【盆の最中は混むから少し外して、とか言ってた。まだ日にちは確定してない】

【ねえ、しょっか今夜】
隆は少し間を置いて
【おっ、恭子チャン、珍しい!やるか、久しぶりに】
【抜いて置かないと、スイングを力むでしょ】
お刺身を肴にビールを飲んだ隆は上機嫌だった。
【ば〜か!俺腕を上げたんだ。ドライバーショットを見せてやる!驚くんじゃ無いぞ恭子チャン!】
【フア〜〜!とかじゃないよね】
隆とはいつもこんな感じで始まる…。

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