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扉の向こう側?

日和  2010-05-22投稿
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テーブルには空っぽのカップが一つ。かなりの至近距離で見知らぬ男とみつめ合っていた。

周囲にはどんな風に映っているのだろう―。

『ちょっと―いいかげん離してください。なんだよ、アンタ…』

笑顔を崩さない男に負けるのが悔しくて―視線はそらさない。


『離さないよ!だって離したら逃げ出す雰囲気だろ?』

バレてた。でも。

『財布、返してください!』

『じゃ、俺に付き合って♪


『…警察呼びますよ!?』
思いきっていってみたけど。笑われた。

“財布拾ってやったのに?”って。

完全にナメられている。とにかく!そう思って男の手を払う。俺が逃げないと承知しているのか、男は笑顔のままだ。

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