「はい。もしもし、…はい私、アッコです」
「正美と言います。アッコさんですね。お話出来てあんしんしました。素敵な写メ、ありがとう」
「嫌です。すぐ削除して下さい。恥ずかしいです」
落ち着いた男の声だっただけに、恥ずかしさは倍増した。
「部長も紳士的で優しい方なので安心して下さい。当日は四人でじっくり楽しみましょうね。部長の写メも送ります」
「はい。よろしくお願いします。私達、馴れていないんです。二人とも…」
「大丈夫ですよ、いくらか私共が年上ですから…リード出来ると思います」
私は…よろしく…なんて言ってしまった。
芳子に携帯を返すと二人で詳しい待ち合わせ場所を決めているようだった
…そして電話を切った。
どちらからともなく長いため息をついたのだった
「でね、国道を進むと〇〇の信号を過ぎて右手に◆◆って言うスーパーがあるから、そこの駐車場に私達の車を置いて…」
芳子の説明は上の空だった……。
「芳子、本当に初めて?…『ホテルに直行』とか言われると、ドキドキしちゃう!怖くない?芳子。『四人でじっくり楽しもう』とか言ってた!」
「初めてよ。嘘言わない!暁子と一緒だから…大丈夫よね…」
「でもそれって、四人同じ一つの部屋ってこと?」
「当然じゃない!別の部屋に別れたら怖いじゃない!暁子と離れたら。……5時間あるから相手を替えてとか言ってた」
「同じ、一つのベットで?芳子と私が一緒に?」
「それは、私にも判らないよ!男性が決めるわよ。でも暁子と別の部屋に別れるより私は安心!」
「でもあの人、落ち着いた声だったね。もう信じるしかないね私達…」
「…暁子…罪悪感とか…ない?…」
芳子がポツリと言う。
「芳子、じゃあ止める?」
「ううん。私は割り切れてる!暁子のこと。こんなテープ見せたり、サイトに誘ったの私だから…」
「芳子、今、それを言うのは止めにしない?…モヤモヤしてイライラするのを解消できれば…娘にも主人にも…優しく出来るから。そう思うことにする私も…」
「判った。もう聞かない!明後日のことだけ考えよ暁子、なに着て行く?」
「あまりけばけばしいのは目立つし、娘を保育園に送って買い物するくらいにしない?かと言ってジーンズは失礼だし。スカートにブラウスかタンクで…サンダルかなにか」
こうして、サイトデビューと言うか初体験に向かって二人で相談を重ねたが、これが義父とセックスをすることに繋がるので練馬のことを書く。