「何処に帰る?…二人とも…話そう…冷たい物を買って来るよ…」
義父はそう言ってコンビニに入って言った……。
義父を非難することは出来ない。男に会いに来たのは私だ!
戻って来た義父はお茶のペットボトルを私に差し出した…すみません…
蚊の鳴くような声で言って受けとった。
「…ゴルフじゃ、、なかったんですね、、、」
「ああ。嘘だ…」
「、、、47才って、、書いてあった、、」
「それも、嘘だ…住所もみんな嘘だ…暁さんを抱きたいと言うこと以外は全部嘘だ…」
「お義父さん、、、、!」
義父は私の名前、暁子を『暁さん』と呼んで可愛がってくれた……。
「…夏帆ちゃんも保育園から帰ってくる。…夜には幹夫も…暁さんは家に帰ってやってくれ…」
「、、、お義父さんは?、、」
「会社の車に乗って来た。寮にでも泊めて貰うよ。帰れないから…」
「帰らないで、幹夫さんには何と言うんですか、、ここまで、来たのは私なのに、、メールをしたのも私。、、、お義父さんは悪くない!、、」
二人とも顔を見ないで正面を見つめて話した。
「…帰る資格なんてないよ。こんな父親なんて……まだ私も若いつもりだ!なんとでもなるから…ここに来た罪は重いよ。それは判っている!」
「、、、まだ、、、何もしてない!何も、、」
「いいよ、暁さん!一度は帰らせて貰って引っ越すよ、どっかに…。でもね暁さん。一つだけ聞かせて欲しい。メールを信じて私はここに来た。信じて良かったんだね?間違いじゃなかったんだね?メールの女性を信じて、ここに来た私は…」
「、、、信じるって?私が、、お義父さんを、、、好きだってメールに書いたことですか」
「そう!……じゃないと…余りにも、ドジで間抜けで…自分が惨めでね」
「、、、私、、年齢はごまかしました。、、、それ以外は本当です!、、、、夢に出て来て私を抱いてくれました、、、お義父さんが幹夫さんと同じくらい好き!」
「それを聞いて、安心したよ暁さん!スッキリした。馬鹿な義父だね」
「お義父さんは、、悪くない!お義母さんが亡くなって、、、独身だし。、、私の方が悪いんです、、、私、、混乱して。、、、お義父さん、車を着け替えて考えさせて下さい」
私が言うと義父は店の前から遠距離専用駐車場まで車を移動させたのだ。
私はリクライニングを倒して、 チューリップハットで顔を隠して横になった。
義父も同じようにリクライニングを倒す気配がした。
私達は 30分以上も沈黙していた……。
「、、、お義父さん、、仮想現実で、、、親子になろうと言ったのは、、嘘ですか」