アートコンクールに出す作品…思いの外先生の評価が高かった。
先生に言わせると
俺の超現実的な痛みが色となって滲み出ているらしい
生々しい傷痕が見えるようだ、と頷かれて俺は赤面した。
だって…先生に俺たちの関係を見透かされたみたいで
「傷痕ねえ」
素知らぬ顔で横に立って先生の評論を聞く先輩の存在が忌々しいやら恥ずかしいやら…。
「でも…いい色だね」
そっと俺の手の甲を撫でる
それだけで、ゾクッと体が震える。
快感に慣らされたツケだ。日に日に先輩の指に屈服している俺がいる。
悟られないようにするので精一杯だ。
「ン…嫌だ、こ…んな場所じゃあ」
「お前の傷痕がみたい」
熱っぽく囁かれて、俺は公園でも組み敷かれている。芝のチクチクする刺激にさえ肌が粟立つ。
俺は淫乱なんだろうか?
「綺麗だ」
バカ言うなよ、とか細く言い返す。
綺麗なわけあるか。
俺は…十人並みかそれ以下だ。
こんな風に考えるところも矮小で卑屈な人間の証拠だ
そろそろ、限界だ。
俺は壊れる。
先輩に恋しないようにすることに疲れてる。