ヤバい。
ヤバいな。
変な空気だ。
感じてるのは俺だけか? もっと押してやれ!みたいな声がうるさいっ!
だまれ、俺だってどーすりゃいーかわからん!
パッと立ち上がって、腰かけてる翼に近づく。
すぐ側に。
や、やべえ。
本気でドキドキする。
なんだ、ちょっ…ど、どうしよう。
内心動揺してんのに、出てきた声は落ち着いていて、しかもなんか…。
「翼って名前、可愛い」
…Σ(゜д゜;)!
な、なんつーことを、俺! ばっ!
バカか!
え?
言わせたよな?
いま、俺に言わせただろ!こ、この…。
「え…?」
驚いたように見上げた顔が…。
綺麗に浮き出た鎖骨が。
「翼」
明らかに、翼は赤面した。ヤバいヤバいヤバい。
取り返しつかないことをしてしまう。
だ、だめだって…。
「陸斗?」
…。
甘い感覚が突き抜けた。
もういい。
おのぞみどーり、進んでやっからな。
繊細な頬のラインに指を添えて、被さるようにキスをした。
びっくりしたように、翼が俺の腕を掴んだ。
でも…抵抗というには余りにも弱々しい。
そんなんじゃ…
止めらんねえっての…。